撮影から上映までの流れを技術とともに学ぶ。
日常のなかにある世界をどのように映画に取り組み(撮影)、映像の連なりとして捉え(編集)、再び外部へと発信(上映)していくか。長い歴史のなかで培われたさまざまな映画技術を学びながら、制作から発表までの一連の流れを学びます。
芸術的な映像表現のための精神と技法を習得する。
劇場で公開される商業映画のみが、本専攻領域が目指すところではありません。現代芸術の一環でもある表現手法を学ぶために、メディアとしての映像の必要性、そこから発信されるコミュニケーションの手法、その制作に必要な技術などを習得していきます。
音響と映像との強固な結びつきを知る。
映画は、連続した画像(映像)と音が融合した芸術でもあります。本年度からは、その音の部分にフォーカスを当て、音響技術の講座を強化していきます。また、音響と映像との関係性についても、詳しく講義していきます。
学生の作品
4年間の学修の流れ
1年次 感覚を研ぎ澄ます
五感を研ぎ澄まし、撮ってみる、制作してみる! 既存のジャンルや方法論を疑い、虚心坦懐に世界を感じ、「映画とは何か?」「映像とは何か?」を問うことから授業を始めます。また、個人制作やグループ制作における構想・撮影・編集・上映までの創作サイクルを一通り体験します。
課題紹介
授業:映画映像制作基礎Ⅰ
課題:「映像の自生性」/16mmフィルムカメラによる1ショット課題
「カメラを通して“見る”こと」がどうして「表現」になり得るのか/どうしたら「表現」足り得るのか、映画映像表現の本質的問いを体感するため、カメラ・アイとショットという概念を軸に、1ショット作品を制作します。課題の鍵は、“ 映像の自生性”を感受できるかどうか。
2年次 主題と形式を自覚化する
具体的な映像音響機器の取り扱いと、具体的な作家の方法論を批評的に学び、多様な映画映像表現のあり方に触れていきます。さまざまな映画映像作品の鑑賞・批評を繰り返しながら、自分なりの物語やテーマを探り、自分なりの表現の方法を試行・実験していきます。
課題紹介
授業:映像身体演習
課題:身体を使ったパフォーマンス制作
映像そのものが立体的な空間美術になるような映写方法を模索。その映像空間を使って身体を効果的に配置できるよう演出プランを考え、パフォーマンスを実施します。映像と身体が相反しないようテーマやモチーフを選び、スクリーンを自作し、映像を美術の一つとして捉えます。
3年次 自分の表現方法を実験する
多様な映画映像表現の実習と演習を繰り返し行います。言葉、ダンス、演劇、音楽、ランドスケープ、コミュニティ、物質としてのフィルム、上映会のマネージメント、批評空間の構築などの多彩な課題制作を通して、映画・映像に対する独自の表現や方向性について探究します。
課題紹介
授業:グループ作品制作演習
課題:オリジナル・シナリオを元にしたグループによる短編映画製作
映画制作における一つの方法として、シナリオ( 書かれた言葉) を映像化する映画制作の方法を批評的に試行します。また、映画制作における、監督至上主義的演出を自明とはせずに、創造的で主体的な集団制作と演出のあり方を発明・模索することも目指します。
4年次 各自の進路を見据えた卒業研究・制作
1年間かけて自身の掲げる研究課題に取り組み、オリジナル作品を一人1本監督します。学生一人ひとりが自身の研究制作を通して独自の視点を獲得し、世界や社会の状況、自身の将来と真摯に向き合いながら唯一無二の作品へと結実させられるよう、教員が全力でサポートします。
課題紹介
授業:卒業研究
学生が設定した研究テーマに基づいて教員の指導を受けながら、各自4 年間の学修・研究活動の成果をひとつの集大成として発表することを目指します。
取得可能な資格
中学校教諭1種(美術)教員免許、高等学校教諭1種(美術・工芸)教員免許、学芸員
卒業後の進路
映像作家/ビデオアーティスト/映画監督/映画・映像カメラマン/映像ディレクター/映画編集者/CFディレクター/音響クリエイター/TVディレクター/漫画家/教育系NPOファシリテーター/俳優/映画美術スタッフ/CFプランナー/中学校・高等学校教員/テレビ番組構成ライター/ミュージシャン ほか
1学年の学生数
37人 *2024年度1~4年の平均学生数