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留学生レポート(山本万琴)

山本万琴

領 域 : サステナブルプロジェクト
留学先 : オランダ ロッテルダム芸術アカデミー
期 間 : 2011年2月2日~7月8日
担当教授 : Arjanne Laan


授業カリキュラム

専攻の必修・希望する副教科を選択し、時間割を設定する。
・オランダのアートとデザイン
・プログラミング(MaxMSP)
・楽曲制作(LOGIC)
・モーショングラフィックス
・ソフトウェア講習(AfterEffect)

2011年度の留学において、Willem de kooning AcademyのAudio Visual専攻で5ヶ月間勉強させて頂いた。 この専攻ではモーショングラフィックス、音楽の課題制作が主だった。 Audio Visual専攻の留学生は6人。ハンガリー2人・イタリア2人・韓国1人・日本人(私)1人である。 授業時間については50分の物もあれば、3時間以上にわたる物もあった。 パソコンでの制作がメインなので、家で課題をしてる者も多く居た。 学校は朝の9時から夜遅くまで開いている。

・オランダのアートとデザイン

留学生は全員必修の授業。オランダのアート全般、写真・建築・グラフィック・映像について学ぶことができた。 建築ではロッテルダムがWW2で壊滅される前の写真と現在の写真の比較や、オランダの有名建築を紹介。 写真では、日本の写真の紹介もあった。日本では特に話題に上がっていない写真だが、オランダはじめヨーロッパ圏では人気があり、写真集が発売されたとも聞いて驚いた。 区切りごとにレポート等の課題が出題される。

・プログラミング

MaxMSPの使用方法。基本操作をチュートリアルを見つつ覚える。

・楽曲制作(LOGIC)

AppleソフトのLOGICを使用して楽曲を制作。 AudioVisualの部屋にはスタジオがあり、編集用のパソコンや、録音ブース等がきちんと備えられていた。 この授業では、教授に楽曲の雰囲気、特徴を説明し、残りはひたすら制作である。 「weird music」をテーマに、以前制作した作品の事も念頭において取り掛かった。

・モーショングラフィックス

この授業は専攻の全員が参加する、重要な授業だった。 1つ目の課題が「10秒のテレビロゴ」の制作。 実在する3つの会社「Nederland3」「BBC」「AT5」から選択し、10秒間のテレビロゴを制作する。 まず教授にストーリーボードを講評してもらい、それを直しつつ実行に移していく。 私が制作したのが「BBC」で、パラパラ漫画を元にした10秒間のアニメーションである。

2つ目の課題が、プロモーションビデオの制作。 尺は自由で、私は46秒間のKraftwerkのComputer Loveという楽曲を選んだ。 この専攻ではCinema4Dを用いたCGモーショングラフィックスを制作してる人がほとんどだった。 折角の機会なので私もCinema4Dを使用して制作した。 CGに触れるのは今回が全くの初めてだったので、教授におすすめのチュートリアルサイトを教えて頂いたりしながらなんとか完成まで持ち込んだ。 楽曲の雰囲気に合わせて、「工場」を雰囲気とした無機質な映像を制作した。

この2つの課題によってCGと、AfterEffectについてたくさん触れることが出来た。 今まで知らなかったエフェクトや、設定についても学ぶことができ、帰国してからの授業でも活かす事ができている。

・ソフトウェア講習(AfterEffect)

上の授業とは別。 AfterEffectの使い方をあまり知らなかったので、教授にマンツーマンで授業して頂いた。 オススメのチュートリアル、効果、クロマキーの方法等を教わる。

その他に2回程クロッキーの授業にも参加した。 日本では予備校に通う等してある程度のデッサン能力を備えた状態で入学するので、そのあたりの違い、描き方の違いが顕著だった。

2010_02_01

2010_02_02


留学先指導教員による指導内容

日本の大学が行うような、教科書を使って手取り足取りの講習は無い。
ソフトウェアは使える前提、それか自分でチュートリアルを見て、触って覚えるというのが基本だった。
作品の完成を目標とし、それの講評や、ポイントアドバイスのあたりに教員が関わってくる。
指導教員のmichiel wesseliusからの、皆のようにCGをトライしてみればいいとのアドバイスのおかげで、映像だけでなくグラフィックや、立体を制作する上での見取り図を作れたり、CGを触りだけでも学べたことで表現の方法が拡がった。
他教員も臨機応変に授業のカリキュラムを変更してくれたおかげで、授業のペースをしっかり掴むことが出来た。


留学中に、特に印象に残った点および反省点

東北大地震についての映像を制作した生徒がいた。
教員がその生徒と私とを繋げてくれ、その制作に声の出演という形で関わらせて頂いた事が印象に残った点である。
オランダでの何気ない生活行為(水を飲む等)が日本では出来ていない現状を対比的に描いたショートフィルムで、その中に出てくるナレーションを翻訳し日本語音声としてナレーションする役を担当をさせていただいた。
地震が起こって1ヶ月、日本について作品として表現としてくれる事も、惨状に悼みいってくれた事も、とても嬉しく、感謝した。
学校では多くの人が声をかけてくれ、街を歩いていても日本人と分かると呼び止められ心配されたり、新聞をくれた方もいた。被災地への応援として、寮に住む人達から被災者へのメッセージを集めたりしたが、皆快くメッセージw記入してくれた。
4月にはアムステルダムで原発についてのイベント・デモが行われ、会場やアイコンのデザインもしっかり行われていたことに、行動の速さは大切だと思わされた。
震災の最中、まるまるを海外で過ごすという事はとても大きいことで、震災を体験した友達とはそれの認識についてのギャップも生まれていると思う。
だが、それ故の視点から地震に対して意見を言うことだって出来る。「日本人が海外から見た震災」という視点を大事にし、その時の感情を忘れないようにしようと思った。

反省点は英語が至らなかった事。 教員や、学校の生徒とコミュニケーションを取るのも大変だった。プレゼンテーションでも、ここでうまく喋ることが出来れば質問に対して的確な返事ができるのに、とも何度も思った。
しかし、周りのフォローがあってそれも乗り越え、五ヶ月間楽しく生活することができたのはとても有難いことだった。
オランダは公用語はオランダ語だが、国民の殆どが英語を喋れる国なので、生活で困るような事は無かったのは助かった。

最後に、この留学に関わってくださった東京造形大学の職員の方々さん、Wille de kooning academyのスタッフの方々、私に関わってくださった方々にお礼を申し上げます。
遠く離れた他国で一人で半年程生活したこの経験をこれからの自分のくらしに活かしていくつもりです。

留学中に記していたブログ(http://macotann.blogspot.com/

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