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研究科長挨拶

造形活動を展開する意義
―造形活動を志す人たちへー

 時代が大きく変わろうとしている。
 自然現象か産業革命以降の人類の驕りに対する警鐘か、オゾン層の減少による地球温暖化による異常気象。3年半に渡り猛威を振るったコロナ禍によるパンデミック。世界的な人口増加と、先進国における少子高齢化。歴史を背景とした侵略戦争。世界中に張り巡らされたネットワークによる効率化と情報過多による弊害。なかでも創作活動をする我々が最も関心を持つAIの誕生と造形活動への影響。グローバル化した世界では全てが対岸の火事では済まない。我々を取り巻く環境の変化は、人類がこれまで経験してきたことのない変化を伴う。世界の在り方、国の在り方、そして個々の生活の在り方が問われ、いままでの価値観が根底から変わろうとしている。今が、そうしたターニングポイントなのだろう。
 こうした時代だからこそ、新たな価値観が必要となり、そのための知恵が必要とされる。まさに造形の学びが必要とされる。ただ知識を詰め込むだけの学びではない、喜怒哀楽から導きだされる啓示が必要になるのではないか。
 そもそも人は、種としてホモサピエンスが誕生して以来、大きな変化は見られない。群をなす生活を現代に至るまで続けている。群を守る、群を増やす、そのために道具が生まれた。人は、生活のなかで喜怒哀楽の感情を表現し共有することで仲間意識を持つようになった。本能として、我々に備わってきた「喜怒哀楽」の感情を糧に、「生きる」を原動力に様々な創作活動を繰り返し行ってきている。形や表現は変わろうとも「生きる」を糧としての創作はなくならないと歴史は教えてくれる。

 我々に課せられているのは、自分が培ってきたスキルを駆使して、何を創造するのか、目標と目的を定めて地道な創作を繰り返すことではないか。そうしたことで個々の思想や哲学が見えてくる。造形力が生活の、しいては「生きる」糧になると考える。何が正しいか、正しくないか答えは様々であり、自分なりの生き方を見つけ提唱することが、大切ではないだろうか。こんな生活や、あんな生活。こんな考え方や、あんな考え方。いろいろな思考をもとに専門の領域から制作を通して造形を提案し続けること、そしてその行為を広く知らしめることこそが我々が求める研究なのだ。
 提案された様々な造形が生活を輪郭づけ、新たな気づきとなると信じる。激動の時代において、エポックメイキングは、唯一無二の造形活動により生み出され、新たな生活の価値観から「生きる」糧を導き出すことであり、この場がそれらの研究の足がかりとなり、よりよい造形活動の研究機関となるよう目指していきたい。

東京造形大学大学院研究科長 森田 敏昭


主な経歴

森田 敏昭(もりた としあき)

2007年4月1日着任/1962年京都市生まれ。
京都造形芸術大学通信教育部芸術学部デザイン科卒業。
1986年(株)黒川雅之建築設計事務所入社。
1991年(有)エル.アイ.シー/森田敏昭設計事務所設立
2000年札幌市立高等専門学校就任。
現在、地方都市でのモノづくりにおけるデザイン主導型商品開発システムの有用性について研究を進めている。
2002年グッドデザイン賞。
2003年北の生活産業デザインコンペティション大賞・銅賞。
2005年グッドデザイン賞。
2006年グッドデザイン賞/JID賞ビエンナーレ佳作。ほっかいどうグッドデザインコンペティション大賞。
2007年度北海道グッドデザインコンペティション銅賞。
2007年芸術工学会平成19年度論文賞。
2013年度グッドデザイン賞。

社団法人日本インダストリアルデザイナー協会正会員。芸術工学会会員。

教員プロフィール・教育研究業績