ANTE TUMOR

藤原佳恵
大学院美術研究領域 2011年度修了
芸術家が失敗作を生み出すことは、ある意味偶発的であり、必然的なことです。しかし、芸術家にとっての失敗は、科学のようにその結果がそのまま成功の確率へと繋がるほど必ずしも単純なものではないでしょう。失敗作は負の連鎖のように失敗を生み、作者を苦しめることもあります。しかし逆に失敗作が思わぬアイディアをもたらすこともあります。作品と作家の関係性がそうであるように、失敗という事と作家の関係性は多次元的に複雑なのではないでしょうか。
この展示のタイトルANTE TUMOR(アンテ テューマー)とは「腫瘍になる前」という意味です。腫瘍とは細胞が生体内の制御に反して自律的に過剰に増殖することによってできる組織塊のことです。それは、自己の体の、組織的な制御を失った末に生まれた、体内の失敗作とも言えなくもないでしょう。しかしそれをあえて肯定的に捉えるのであれば、自己の組織、または意識外から生まれた新たな価値観だとも捉えることができるのではないでしょうか。
このたび3331 Arts Chiyodaにて、東京藝術大学壁画第一研究室在籍中の4人稲田禎洋、岡田寿枝、小川真生樹、藤原佳恵が「失敗」をテーマに企画、構成した展示を行います。失敗ということに対し自己の作品がどのように関連し、また各々がどのように失敗の事象を捉えているのかを、それぞれの表現方法で制作し、展示空間を構成します。
オープニングパーティ:2013年3月24日(日)18:00-20:00
公開講義/ゲスト保坂健二朗:2013年3月26日(火)18:00-19:00
開催期間
2013年3月24日~2013年4月5日
休館日
会期中無休
時間
12:00-20:00
入場料
無料
会場
3331 Arts Chiyoda/104スタジオ
会場住所
千代田区外神田六丁目11-14 3331 Arts Chiyoda 地下1階
関連Webサイト
http://antetumor.tumblr.com/
http://www.3331.jp/schedule/001896.html