室井 公美子 澱の聲を聴く
室井 公美子
絵画専攻領域 2009年度卒業
GALLERY MoMo Ryogokuでは、2026年5月16日(土)から6月13日(土)まで、室井公美子による個展「澱(おり)の聲(こえ)を聴く」を開催いたします。
室井はこれまで、事故や災害、近親者の死といった個人的な体験から、「生と死」あるいは「彼岸と此岸」という根源的なテーマに向き合ってきました。特に東北の山間部での生活を通じ山形の山岳信仰に興味を持ち、その後、遠野のおしらさま、恐山、沖縄の御嶽といった各地の信仰の場を巡る身体的な経験は、彼女の死生観をより深遠なものへと導きました。
光と闇、記憶と忘却、幸福と空虚、そして「向こう側とこちら側」。室井はこうした相反する要素の“狭間(はざま)”を制作の主題としています。紫や灰色を基調とした、流れるような筆触を持つ背景に、具象とも抽象ともつかない独自の表現様式を確立し、矛盾と形のないものを表出するような画面を作り出しています。
本展のタイトルにある「澱(おり)」とは、水底に沈殿するもの、あるいは忘れ去られた感情や魂の堆積を指しています。室井にとって、巨木の年輪やおしらさまに重ねられた布、そしてキャンバスに塗り重ねられる絵具の層は、すべて等しく「時間が沈殿したもの」です。
本展では、これまでの紫や暗い色彩から鮮やかな空を思わせる油彩の大作を展示します。また、モノタイプによる版画、ドローイングまで、具象や沈殿した記憶と対話することで生まれた最新作も並び室井の新たな表現を垣間見ることができるでしょう。
室井が『具象でも抽象でもなく、その境界そのものを映し出そう』としていると言うように、画面から立ち上がる表現の狭間にある「澱の聲」。私たちが日々の生活の中で見失いかけている「向こう側」の気配を呼び覚ます作品群を、ぜひご高覧ください。
(GALLERY MoMo Ryogoku 展覧会情報ページより引用)
開催期間
2026年5月16日~2026年6月13日
休館日
日曜・月曜・祝日
時間
火曜日〜土曜日 12:00〜19:00
入場料
無料
会場
GALLERY MoMo Ryougoku
会場住所
東京都墨田区亀沢1-7-15
関連Webサイト
https://www.gallery-momo.com/current-ryogoku
https://www.gallery-momo.com/kumiko-muroi