書籍出版『デザインの守破離』
小林功二
グラフィックデザイン専攻領域 非常勤講師
“デザイナーの個性、独自のスタイルはどのように生まれるのか。
ルールやセオリーを超えて、自分だけのデザインに進化させるプロセスを学ぶ”
本書は「文字」「レイアウト」「色」という3つのテーマについて、ルール・セオリーを活かしたデザインから、ロジックでは説明が難しいデザインまで、“守破離”という3つのフェーズで解説、分析した解説書です。佐藤亜沙美さん、ナルティスさん、松田行正さん、soda design さん、中野豪雄さん、カイシトモヤさんという第一線で活躍するデザイナーの仕事を通して、ルール・セオリーの実践法、応用法を解き明かします。
一般的なルールやセオリーに則ったもの、またはデザイナーにとってのスタンダードなアプローチを“ 守”とし、グラデーション的に“破”から“離”とシフトするように見せることで、一人、一組のデザイナーのなかでも多様なアプローチがあることが見えてきます。
ルールやセオリーを解説する本を総論とするならば、本書は個々人、各社の考え、思考、理論に基づいた各論をまとめた本です。そのため、ご自身の仕事に活かせる部分もあれば、そうでない部分もあるでしょう。しかし、与えられた条件のなかで、どのように考え、どのようなアプローチでデザインに挑み、どこまでの精度、深度をもってかたちをなしているのか。それを知ることは、デザインに対する考えかた、向き合いかたを深める、ひとつのきっかけになるはずです。
【本書の主な内容】
■Chapter 1:デザインの“守破離”
ルールとセオリー、その先にあるデザイン
■Chapter 2:文字の“守破離”
○佐藤亜沙美
言葉と想いを伝える文字、イメージを後押しする文字
○新上ヒロシ+ナルティス
ことばの“声”を文字のかたちで表現する
■Chapter 3:レイアウトの“守破離”
○松田行正
文字サイズ×文字数を基準に考える揺るぎないレイアウトのルール
○soda design
巧みな情報整理と演出でストーリーをつくるレイアウト
■Chapter 4:色の“守破離”
○中野豪雄
“計算通りにならないからおもしろい”。気づきを重ねて実践に活かす色彩術
○カイシトモヤ
色相+トーンで考える配色、印刷と紙でつくる色の質感