• Japanese
  • English
  • 在学生
  • 教職員
  • アクセス
  • 資料請求
  •  MENU
  • 在学生
  • 教職員
  • 大学について
  • 教 育
  • 学生生活
  • 進路・就職
  • 研究活動
  • 入学案内
  • 保護者の方
  • 受験生の方
  • 卒業生の方
  • 企業・一般の方
  • 大学院
  • 附属美術館
  • 附属図書館
  • ENGLISH SITE

学生・関係者の活動 詳細

2Ps – 「危機の(ない)」時代のパサージュ・パルタージュ


 

清水哲朗
絵画専攻領域 非常勤講師

他、7名


<「2Ps」展通信 – (5)>

「2Ps - 『危機の(ない)』時代のパサージュ・パルタージュ」展では、6/18(金)より(6/24まで)、ZOKEIギャラリーにおいて、「戸田祥子/東野哲史」展第2期が始まっています。この展示は、本展5/23(月)より開始された戸田、東野、清水によるZOKEIギャラリーとCSギャラリーを使って行ってきました「もの起き、こと起き」をテーマとした連続、波状展示の最終の展示です。今回は、「パサージュ・パルタージュ」をテーマとした清水レクチャー映像などもフィーチャーされ、極めて多角的、多様な展示内容となっています。世界の人々にぜひ共有していただきたい展示になっています。以下、5/20(金)〜6/1(水)にCSギャラリーで開催された戸田祥子による「単独展示」についての戸田ステートメント、展示写真も含め、「戸田祥子/東野哲史」展第2期開催に際しての戸田、東野両氏によるステートメント、展示写真が寄せられていますのでご紹介します。会期残りわずかとなっていますので、ぜひご覧いただき、そこで繰り広げられていることのダイナミズムに触れてください。よろしくお願いいたします。

                                             2022年6月22日
                                                   清水哲朗

                   ***

<「戸田祥子/東野哲史」第2期展にあったての戸田祥子ステートメント>

安定した展示場所を失ったために強いられた、作品の移動に伴い、梱包と開梱を繰り返している。そのうち、どこからが作品であるのか、よくわからなくなる。展示されている「作品」の状態と、その前後の状態(梱包され、解体され、なるべくコンパクトに整理される)が、入り混じり、「作品」の始点と終点が引き伸ばされていく。本当は「前後」の状態であるはずのところが、展示の中に漏れ出るように現れ始めることで、「展覧会」は展示として公開された期間の枠をはみ出し始めている。「展示」の前後には、企画があり、打ち合わせがあり、下見があり、搬入があり、撤収があり、現状復帰がある。今回それは時系列にまっすぐと進むのではなく、ランダム再生や逆再生されるように繰り返されている訳である。
今回、「抜け道に現れた、第3の役者」というタイトルをつけた。通常の道順を外れたこのランダム再生や逆再生という道順では、同じ道を何度も通ったり、突然知らない場所に出てしまったりするかもしれない。そして、そこに現れる役者とはなんなのか。映像であれば、指先の僅かな動きで、何度もどこからでも再生することができるけれど、現実に、展示までの一連の流れを何度も繰り返すことで、最も強く意識されるのは身体(の疲労)である。身も蓋もないと思うかもしれないが、ものの移動にはいつでも、それを動かす身体が必要である。ものは瞬間的に移動するのではなく、その間にも世間話が行われ、鼻歌を歌ったり、小雨に降られたり、信号待ちをしたり、上ったり下ったり、暑くなったり寒くなったりする。撤収に関する輸送の手配をメールで行いながら、この文章を書いている。自宅や倉庫に戻る作品は、今はまだ展示会場にある。

戸田祥子 2022.6.212

<5/20(金)〜 6/1(水)にCSギャラリーで開催された戸田祥子による「単独展示」についての戸田ステートメント>

5/10から始まった転々と移動する素材と機材、梱包と開梱の間に現れる作品の様子に、「ジャンピングロープとずれる目」、というタイトルをつけました。この移動は、6/1までのCSギャラリーでの展示を終えると、再び、6/2にZOKEIギャラリーに戻り、6/4-6/17まで倉庫保管、6/18より再々度のZOKEIギャラリーへ、その後6/28-7/1までは再びCSギャラリーへと続きます。
展示形態も、個展形式、2人の共同制作展示、7人でのグループ展示と様々に変わります。
この移動は、安定した展示場所を失ってしまったために起こっています。作品は、常に荷物でもある、という悲しみか、多様な環境下で新しい側面を見せる作品への喜びか、行末にあるのはどちらでしょうか。
そんな中で唯一の安定した展示期間である、この度のCSギャラリーでの展示には、「体をさがす」というタイトルをつけました。大波小波ぐるりと回って猫の目、という縄跳びうた(わらべうた)から、端を発します。縄跳びを跳んでいる体が、猫の目になった時、猫の顔や体はどこにあるのか、そんな寓話的な問いから展示を作りました。
わたしたちは映像や画像というイメージデータとなって限りなく遠くまで、見渡し、交流することができるようになった反面、物流なしでは身体を維持できないという根本を、ここ数年の危機的状況下において、痛感しています。どこまでも続く、物流ラインと、どこまでも拡散するイメージデータの間に、さまよう体はあるのでしょうか。
6/1でこの展示場所を失うインスタレーション作品も、場所という体をさがして、また移動を続けます。台車に乗せて、坂を上ったり、下ったりして。

戸田祥子 2022.5.20


<「戸田祥子/東野哲史」第2期展にあったての東野哲史ステートメント>

きちんとしたゲリラ(池田修)、誠実なヤケクソ(東野哲史)


参考までに、今回の会期中にわたしが実際に造形大内会場に来た日を以下に挙げてみます(6月19日時点、また今後の予定も合わせて記します)。

5月9日 ZOKEIギャラリー搬入、設営
5月10日 第1期開始、搬入、公開制作
5月11日 搬入、公開制作
5月12日 搬入、公開制作
5月13日 搬入、公開制作
5月16日 搬入、公開制作
5月17日 搬入、公開制作
5月18日 搬入、公開制作、(戸田祥子 ZOKEIギャラリーからCSギャラリーへ引越)
5月19日 搬入、公開制作
5月20日 搬入、公開制作、マンズー美術館設営
5月23日 搬入、公開制作
5月24日 搬入、公開制作
5月26日 搬入、公開制作
5月27日 搬入、公開制作
5月31日 搬入、公開制作
6月1日 搬入、公開制作
6月2日 搬入、公開制作、(戸田祥子 CSギャラリーからZOKEIギャラリーへ引越)
6月3日 搬入、清水哲朗レクチャーパフォーマンス、第1期終了、撤去
6月4日 壁面塗り戻し
6月6日 壁面塗り戻し
6月7日 壁面塗り戻し、荷物をZOKEIギャラリーから図書館倉庫へ移動
6月16日 荷物を図書館倉庫からZOKEIギャラリーへ移動、搬入、設営
6月17日 ZOKEIギャラリー設営
6月18日 第2期開始、4-A教室にてパネルディスカッション
6月25日 第2期終了、ZOKEIギャラリー撤去、荷物をZOKEIギャラリーから図書館倉庫へ移動〈予定〉
6月27日 マンズー美術館撤去、CSギャラリー搬入、設営〈予定〉
7月2日 CSギャラリー撤去、荷物をCSギャラリーから図書館倉庫へ移動〈予定〉

搬入は「もの」を「置き」ます。もちろんわたし自身の意思で行われたこともありますが、上記のように普通に考えてなかなか有り得ない「こと」が「起き」ています。今日ようやく時間ができ、BankARTの池田修さんを偲ぶ会の最終日になんとか滑り込み、しかし帰り道で車が自走できない故障に見舞われ、レッカーで修理工場に牽引してもらいました。まあ搬入中じゃなくてよかった、のか。特に今週は明日から赤字分を取り返すべく仕事をしないといけないのですが代車は無く、レンタカーを借りるしかありません。なかなか踏んだり蹴ったりです。まだまだ甘い、と、池田さんに怒られているのでしょう、きっと。

2022年6月19日
東野哲史


*上左写真  撮影:Zachary Y. Wang


開催期間

2022年5月10日~2022年7月1日


休館日

日曜日・6月27日(月)


時間

10:00 〜 16:30


入場料

無料


会場

東京造形大学付属美術館、ZOKEIギャラリー他


会場住所

東京都八王子宇津貫町1556 東京造形大学<構内>