2Ps - 「危機の(ない)」時代のパサージュ・パルタージュ

清水哲朗
絵画専攻領域 非常勤講師
他、7名
<「2Ps」展 通信 - その1 >
「2Ps」展(ZOKEIギャラリー及びCSギャラリー)での戸田祥子、東野哲史による「もの置き、こと起き」公開制作展につきまして
「2Ps - 『危機の(ない)』時代のパサージュ・パルタージュ」展(「2Ps」展と略して記します)では、戸田祥子、東野哲史による「もの置き、こと起き」公開制作を開催します。今回の公開制作について、「2Ps」展提案者の清水哲朗と戸田、東野の間で、何度か打ち合わせをしました。その結果、定められた期間や定められた枠組みでの展覧会の行われ方とはちょっと異なるものとして開催してみようかとなりました。実験的です。例えばギャラリーに、まだ開梱されていない作品の包みが置かれているとします。そのかたわらで、もう一人の作家は壁に何か、文字を書き進めています。その時、まだ開かれていない作品の包みにも何か意味があるんじゃないか、と3人で話し合いました。包みは、これから開かれようと心を弾ませているかもしれない。または、ただ静かにそこにあるだけかもしれない。そんな包みが好きです。置かれているものの存在はとても愛おしい。そん気持ちをこの企画で、発見できないかと思っています。そして、こんな「もの置き」発見の体験を、みんなで共有できないかと考えています。その間も、もう一人の作家は、壁に文字をかき続けています。決して、大げさではない、スペキュタキュラー( = 見世物的 )な企画でもない。誠実に行う。けれども、だから徹底的に行ってみる。そのことに賭けている。日々を生きているように。この瞬間瞬間に呼吸するように。けれども、それはまるで奇跡のようです。日々は多くの謎に満たされていますね。そしてどこまでも平凡に。当たり前に。「芸術」の新たな読み直し。そのような「こと起き」が行えないだろうかと3人で話し合いました。それをどこまで皆さんと共有することができるのか。私たちの腕の見せ所です。そのように今回の「もの置き、こと起き」公開制作を進められればと思っています。行ってみなければわかりません。私たちもまだ、あまり多くのことを決めていません。みること。ふれること。かんがえること。おこなうこと。かたりあうこと。みなさんのご参加と共に、企画はだんだんと進んでゆくはずです。それによって、多くのものが置かれ、ことが起きてゆくだろうと思います。ですので、どうぞおつきあいのほどよろしくお願いいたします。
会期、会場は、寄せてくる波状に、下のように2つのギャラリーを使用して、連続して開催してゆきます。
・戸田祥子 & 東野哲史 1期: 5月10日(火)〜 6月3日(金)
ZOKEIギャラリーにて。
*上記1期期間で、5月18日(水)からは、戸田祥子の展示は以下CSギャラリー
での展示へと移動し組み立てられ続いてゆきます。一方。ZOKEIギャラリーでは、
東野哲史の展示が中心となって展開され6月3日(金)まで続きます。
・戸田祥子: 5月20日(金)〜 6月1日(水)
CSギャラリーにて。
・戸田祥子 & 東野哲史 2期: 6月18日(土)〜 6月24日(金)
ZOKEIギャラリーにて。
*上記2期期間では、戸田祥子と東野哲史は、再び合流し、互いに関わり合いながら
ZOKEIギャラリーでの展示を行ってゆきます。
2022年5月10日
清水哲朗、戸田祥子、東野哲史
<写真>
・右上:東野哲史 「台北國際藝術村日記(リプライズ)」 2015年、壁に油性ペン、台湾ビール、冷蔵庫、ローリングタワー、脚立、布団一式ほか、サイズ可変、BankART Studio NYK
・右中:東野哲史「a頭かな柔さはら」 2019年、餅つき道具・材料一式、メガネ型カメラ、プロジェクター、マイク、アンプ、油絵道具一式、屋上菜園のプランター他、サイズ可変、Art Center Ongoing(東京)
・右下:戸田祥子 「擦り付けるようにして捏ね、まとまってきたら、たたきつけて折り返し、転がす」 2022年、映像(10分44秒)
開催期間
2022年5月10日~2022年7月1日
休館日
日曜日・6月27日(月)
時間
10:00 〜 16:30
入場料
無料
会場
東京造形大学附属美術館、ZOKEIギャラリー、CSギャラリー、10号館CS-PLAZA吹き抜け空中、10号館横芝生
会場住所
東京都八王子宇津貫町1556 東京造形大学<構内>