齊藤 智史 “ チイサコ ”

齊藤智史
彫刻専攻領域 2006年度卒業
s+arts(スプラスアーツ)より、齊藤智史 個展「チイサコ」の開催をお知らせいたします。 齊藤智史は、楠を用いてフォルムを形成し、日本画に使われる顔料や灰などで着彩をしながら、どことなく懐かしいような、愛着が湧
くような感覚が生まれる作品を制作する彫刻家です。アジア圏を中心に近年注目されている作家の一人です。
植木屋の家に生まれ育った齊藤にとって、心のどこかに残る感動が呼び起こされる時には常に樹木が存在します。木彫表現を通じて、 自身の周りの様々な要素が繋がり、土着の文化やその地で生まれた精神を継承し、未来へ残そうとしている彼の作品からは、どこと なく懐かしいような、愛着が湧くような感覚が生まれます。時を重ねると共に懐古的で曖昧になる過去の記憶を辿りながら、現在の 経験が重なることで得られる新たな感覚を作品に反映させ、人間の記憶の中にある曖昧でどこか懐かしい感覚を具現化することを試 み制作を続けています。
大人になると幼心を喪失してしまったような感覚がある。 しかし、感覚があるのならばどこかに幼心はまだあるのかもしれない。 学校帰りに道端の果実を摘み、家に帰ると、 自分の低い視線の先にある謎めいた無数の瓶や容器、 朝、霧の立ち込める池を見ると謎の大きな影や、 森のような草むらを抜けると田んぼに佇む自分より大きな鳥が突然あらわれたり、 無知で小さいから感じる驚異的で素晴らしい日常があったはずだ。--- 齊藤智史
幼心について回帰しながら表現したという本展「チイサコ」では、これまで齊藤が制作してきた作品から更に愛らしい表情と温かみの ある色彩が印象的な作品が並びます。また、抽象作品シリーズ「シン」においても、偶像作品と繋がりのあるような新たな試みも発表 いたします。これを気に、心優しくなるような齊藤智史の新作展を是非ご高覧ください。
開催期間
2022年5月9日~2022年5月15日
休館日
会期中無休
時間
時間: 12:00-19:00 ※最終日は17:00まで
入場料
入場無料
会場
s+arts
会場住所
港区六本木 7-6-5 六本木栄ビル 3F