【母袋俊也展 《Koiga-Kubo》 1993/2017 そして〈Qf〉】

母袋俊也
絵画専攻領域 教授
絵画表現におけるフォーマ-ト(画面の縦横比)と精神(メッセージ)との相関をメインテーマにして絵画制作を展開している美術家・母袋俊也(1954-)。
母袋は1999年、風景をさまざまのフォーマ-トの窓で切り取る野外作品〈絵画のための見晴らし小屋〉を開始、その切り取られた「光景」をモデルに「絵画」の制作を進めています。展示空間を飛び出すように、外の風景を取り込み、内外を結ぶインスタレーション作品として昇華されます。
それら横長フォーマ-ト、偶数組、非中心性、水平性の作品群は〈TA〉系と名づけられ、正方形フォーマ-トの水平性にも垂直性にも中心を持ち、統合的な課題を果たそうとする〈Qf〉系とともに母袋絵画の主要な「系」を形成しています。
本展では、1993年に岡山県北西部の鯉が窪湿原を描いた《Koiga-Kubo》(12枚組)と今展のために、同一のフォーマートで描かれた新作《Koiga-Kubo》(6枚組)の新旧の〈TA〉系2点が、展示ギャラリー内で対面展示されることになります。また壁上部には空の絵〈Himmmel Bild〉が展示され、絵画作品の前面には〈枠窓〉が設営され、画面内の像は枠での切り取りによって新たな「像」を浮び上げることになります。小展示室では〈Qf〉系が対比的に展示されます。
国内外で個展やグループ展を開催する母袋にとって岡山では初個展になります。
開催期間
2017年10月21日~2017年12月3日
休館日
月曜日(但し、月曜日が祝日の場合は開館)、祝日の翌日
時間
9:30~17:00(入場は16:30まで)
入場料
一般200円(高校生以下・75歳以上は無料)
会場
奈義町現代美術館(Tel.0868-36-5811)
会場住所
岡山県勝田郡奈義町豊沢441