「自然の設計/Naturplan」 ブルームバーグ・パヴィリオン・プロジェクト#1 狩野 哲郎 展

狩野 哲郎
大学院美術研究領域 2007年度修了
「ブルームバーグ・パヴィリオン・プロジェクト」は、東京都現代美術館敷地内に建てられたパヴィリオンを舞台に、一年間に渡って東京在住の若手アーティストの個展や公募展、パフォーマンス・イベントを開催していくプロジェクトです。
パヴィリオン・プロジェクトの第一弾は、動植物などの制御不可能な存在を内包するインスタレーションで注目を集める狩野哲郎の展示です。 周辺の鳥をパヴィリオンに呼び込むインスタレーションにより、パヴィリオンを美術館と周囲の環境とをつなぐ空間としてとらえる試みを行います。
私たちが思っている「自然」と、たとえば鳥にとっての「自然」は同じでしょうか。狩野は人間のために作られた既製品を空間に配置し、その中に鳥を招き入れます。鳥にとってその場所は美術作品ではなく、偶然あらわれた遊び場や休憩所のようなもので広い世界の一部のはずです。木場公園の中に建つ現代美術館は、美術を鑑賞する場という機能を持つと同時に、鳥たちの生活環境の一部でもあり、外側の環境と地続きの存在です。このたびの展示で狩野は、美術館の敷地に一時的に出現するパヴィリオンを鳥のための大きな巣箱に仕立てます。流れる時間も感じるスケールも人間とは異なる鳥のために設計された空間は、私たち人間にとってもまた新しい知覚が促されるポジティブな空間であり、そこで私たちは「自然」あるいは「美術」という枠組みの外側に広がる無限の可能性に気づかされるでしょう。狩野が自然の設計と称しておこなうインスタレーションは、まるで空間に描かれたドローイングのように静かに強く私たちの前に立ち現れます。
開催期間
2011年10月29日~2011年11月27日
休館日
月曜日
時間
10:00 - 18:00
入場料
無料(どなたでも自由にご覧頂けます)
会場
東京都現代美術館 パブリック・プラザ
会場住所
江東区三好4-1-1
関連Webサイト
http://www.mot-art-museum.jp/
http://www.mot-art-museum.jp/blog/staff/cat35/