見ることのかたわら
升谷絵里香
絵画専攻領域 2009年度卒業
美術館やギャラリーでの作品鑑賞、街中を舞台とした展覧会、アトリエを離れての作品制作、不特定多数の鑑賞者の視点、異なる文化や社会との避けられない接触、作品制作を通した教育的活動。作品や鑑賞者、そして何よりアーティスト自身を取り巻く状況が多様化していく中で、作品を「見る」という行為もまた大きな変化の中にさらされてきました。
自分の育ってきた文化や環境は、時に目の前の対象の見え方を大きく左右します。
社会の変化とともに、その文化や環境が急速に変化していることは、否定できない事実といえるでしょう。
作品は何を前提としているのか。その言葉は誰に対して発せられているのか。
多くの展覧会で目にするアーティストトークやトークセッション等の催しが象徴するように、作品は「見る」ものであると同時に、耳を傾ける対象であるのかもしれません。
一方で、私たちは「見る」ことに多くをゆだねていることもまた揺るぎない事実です。そこには誰にでも共通の言語、情報が隠されています。
それは、知識を刺激するものかもしれないし、感情を揺さぶるものかもしれません。
私たちは「見る」ことを通して作品を捉え、自分の中に取り込み、その行為を鑑賞の入口としています。
作品がそこにある以上、「見る」ことは避けられないのです。
旧門谷小学校を舞台とした、7 人のアーティストによる作品。
そのかたわらには、前提となる背景、作品を形づくる様々な言葉が隠されています。
鑑賞者は、大正時代に建てられた古い木造校舎の中で、そこで出会う作品と対峙する中で、その周辺に横たわっているもの、そしてその本質を「見る」ことになります。
はたして、「見る」という行為は、どのようなものの上に立っているのでしょうか。
鈴木 孝幸
開催期間
2015年5月30日~2015年6月28日
休館日
木曜、金曜休館
時間
10:00〜16:00
入場料
無料
会場
旧門谷小学校
会場住所
新城市門谷字宮下26 番地