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第23回文化庁メディア芸術祭 アニメーション部門 新人賞受賞

第23回文化庁メディア芸術祭のアニメーション部門にて、
アニメーション専攻領域助手の築地のはらさん(デザイン学科アニメーション専攻領域卒業生)と、
CHENG JIALINさん(修士課程デザイン研究領域2年生)の作品が新人賞を受賞致しました。

【受賞作品】
受賞者:築地のはら(デザイン学科アニメーション専攻領域卒業生)
作品名:「向かうねずみ」短編アニメーション

作品概要
向かう場所も分からぬまま、ひたすらどこかへと向かう1匹のねずみを描いた作品。東京築地市場が豊洲へと移転したことで、推定1万匹はいるとされるねずみが居場所を失った。以前からねずみのキャラクターを用いて作品を制作し、毎日のようにねずみを描いていた作者は、このことを他人事と思えず、1匹のねずみの行く宛てのない旅を作品化した。本作は、プロジェクターとカメラを台車に搭載し、台車を移動させながらアニメーションを街に投影しつつ、同時にそれを撮影するという手法で制作された。任意のタイミングでねずみを転ばせたりジャンプさせたりするアプリケーションも制作、投影される実際の風景に合わせてアニメーションを制御している。

贈賞理由
タイトルどおり、ただひたすらどこかに向かって歩くねずみを、我々はただひたすら観ている。歩くねずみをモバイルプロジェクターで実際の街の壁や岩に投影する制作技法的なおもしろさもあるが、築地から豊洲への市場移転という社会的出来事を発端にしながら作品としては何かを訴えるメッセージに拠らずに、移転によって居場所を失ったねずみのあてのない移動のみに落としどころを見つけた作者の作品感覚が素晴らしい。築地のねずみは、この作品のねずみのようにかわいくはないだろうが、鑑賞者にはこのメッセージなき小さなメッセージを受け止めてほしい。(和田 淳)
引用先:https://j-mediaarts.jp/award/single/wandering-mouse/

受賞者:CHENG JIALIN(修士課程デザイン研究領域2年生)
作品名:「浴場の象」短編アニメーション

作品概要
幼い頃に浴場で出会った、黒い象についてモノローグ形式で語られる作品。描かれるのは90年代後半の中国、工場が多く立ち並ぶ町の一角にある労働者のための浴場。ある日、いつものように母に連れられて浴場へ行った少女は、そこで小さなアリほどの大きさの黒い象を目にする。それ以来、浴場を訪れるたびにその象は少しずつ大きくなって少女の前に姿を現すのだった。時の流れとともに、その象が大きくなるのに対し、少女の住む町の建物や工場は取り壊されていき、ついには通っていた浴場も閉鎖されてしまう。手描き風のラフな線とカラフルでありながらも優しく淡い色調で、一昔前の浴場の空気感を、黒い象という曖昧な存在とともにノスタルジックに伝える。

贈賞理由
浴場という着眼点にひきつけられた。そこは人々が心も体も裸になる場所である。裸の大人たちの雑踏の中で少女が感じているもの、見つめているものが、手描きならではの自由な表現で画面いっぱいに生き生きと描かれておりセンスを感じた。特に、少女と象や大人たちとの大きさを比較させているアニメーション表現が良かった。少女が見つけた小さな象が何だったのか、見る側に委ねられているが、ある種の怖さもあり、淡々としたナレーションに、冷静に社会や人々を見つめている姿を感じさせ、作者の力と将来性を感じた。(横須賀 令子)

引用先:https://j-mediaarts.jp/award/single/elephant-in-the-bath-house/

文化庁メディア芸術祭公式ウェブサイト
https://j-mediaarts.jp/