2018年度 ZOKEI賞について
2018年度ZOKEI賞受賞者は、以下のとおり決定いたしました。
受賞者には、別途通知いたします。
学部(31作品)
専攻等 | 学生番号 | 受賞者氏名 |
グラフィックデザイン | 11501008 | 石井 なぎさ |
グラフィックデザイン | 11501011 | 稲葉 明日華 |
グラフィックデザイン | 11501038 | 近藤 直樹 |
グラフィックデザイン | 11501059 | 田中 朱音 |
グラフィックデザイン | 11501069 | 早崎 瑞月 |
グラフィックデザイン | 11501084 | 三船 華子 |
写真 | 11502009 | 田村 連 |
写真 | 11502014 | 宮城 真美 |
映画 | 11503011 | 高久 優花 |
映画 | 11503029 | 薬袋 未来 |
アニメーション | 11504007 | 江連 秋 |
アニメーション | 11504021 | 清水 秋帆 |
アニメーション | 11504035 | 広末 悠奈 |
メディアデザイン | 11505008 | 大沼 梓 |
メディアデザイン | 11505032 | 諸星 花織 |
メディアデザイン | 11505034 | 山下 祐理子 |
室内建築 | 11506022 | 森田 千優 |
室内建築 | 11506902 | 熊倉 淑恵 |
インダストリアルデザイン | 11507003 | 石塚 美晴 |
インダストリアルデザイン | 11507039 | 安留 由華 |
インダストリアルデザイン | 11407029 | 野中 彩司 |
テキスタイルデザイン | 11508009 | 小礒 武 |
テキスタイルデザイン | 11508012 | 酒井 貴絵 |
テキスタイルデザイン | 11508017 | 品川 悠佳子 |
絵画 | 11521003 | 秋山 果凜 |
絵画 | 11521010 | 一柳 孝司 |
絵画 | 11521014 | 井上 将大 |
絵画 | 11521045 | 島田 華奈 |
絵画 | 11521055 | 砂長 美智 |
彫刻 | 11522008 | 髙橋 鈴葉 |
彫刻 | 11522009 | 千田 桃葉 |
2018年度ZOKEI賞審査委員会委員長 井原 浩子
東京造形大学 学長 山際 康之
大学院(7作品)
修士論文・修士制作(7作品) | ||
研究領域 | 学籍番号 | 氏名 |
デザイン | 21751006 | 小野 栞 |
デザイン | 21751007 | 片岡 美央 |
デザイン | 21751022 | 田村 開 |
美術 | 21752003 | 高山 里菜 |
美術 | 21752006 | 古木 宏美 |
美術 | 21752008 | 三輪 奈保子 |
造形教育 | 21753001 | 宇野 詩織 |
推薦理由
21751006 小野 栞(デザイン研究領域) |
「SKIN」 指導教員 須藤 玲子 |
小野は、人の生活について、皮膚と服の関係について、学部時代から一貫して真摯にとりくんでいる。制作においては、編組技法を用いて、糸を自在にカーブさせ、布地を立体的に仕立て上げていくという方法は、石、粘土を用いた彫刻とは異なり、ユニークと言える。また技法においても、大掛かりな設備が必要な、織り機、編機などを使用せず、規制がなく、いつでも、どこでも、作りたい時につくれる原初的、あるいは手芸的な技法を選んでいる。その結果、そうした手に関わる技法が潜在的に持っている社会性、文化性なども浮かび上がる事となった。作品を含め、小野の技術への研究心、スキルを磨きあげる探究心も見事である。 |
21751007 片岡 美央(デザイン研究領域) |
「ふゆのゆめ」 指導教員 鈴木 マサル |
自身の持っている独自の世界観、ストーリー性を「絵本」的なフォーマットでテキスタイルに落とし込み、鑑賞者を展示空間に誘う様な展示形式で表現した。ともすれば甘く、ファンシーになってしまいがちなテーマを作者の制作に対する熱量、オリジナル性の高いプリントテキスタイルを持って構築し、結果的にクォリティーの高い世界観を生み出す事に成功している。テキスタイルの色柄の素晴らしさはもちろんだが、言葉の選び方や没入感を意識した展示空間も秀逸である。 |
21751022 田村 開(デザイン研究領域) |
「Cell-変容する3Dマテリアル‐」 指導教員 森田 敏昭 |
単純な形状を組み合わせ、パターン化し、それを連続させることで、無限の造形の広がりを作り出している。一見複雑でありながら秩序のある構造システムの構築は、様々な応用への可能性を秘めた提案となっている。これらの造形をラピッドプロトタイピングにより、3Dプリンターならではの形状と製造方法を取り込んだ新たなデザイン手法の試行にもなっている。これらのことを高く評価し推薦した。 |
21752003 高山 里菜(美術研究領域) |
「転がるつぶ」 指導教員 大橋 博 |
日常の些細な出来事を写真や文字、ドローイングにより記録し、更に彫刻として制作してきた。彼女にとって本展示は初めての大きな空間でのインスタレーションであり、実験場でもあったと思う。「空気感・感触・温度感等の言葉で簡単に表すことができないことからも、存在を表現したいと思った。」作者のコメントである。淡々と繰り返される記録は私達にとって無自覚であった存在を可感させる空間へと変容した。 |
21752006 古木 宏美(美術研究領域) |
「throbbing」 指導教員 生嶋 順理 |
古木は、版を重ね、その描く行為の時間を繰り返し、異なった結果を得ることを「絵と自分が循環していく表現」の意味としている。一見、自由気ままに描かれたように見えるその画面は、実に緻密に考察され構成されている。それはまた、多くの作品で構成された壁面が意図的に構成されたことにも関わる。幾つかの描かれた図が、別の意味を持たされて繰り返し使われており、複製技術に基づく版の技法の有効性により、絵画にパラレルに広がる時間を持ち込ませることに成功した優れた作品である。 |
21752008 三輪 奈保子(美術研究領域) |
「inyumen」「From The Past To The Blah Blah Blah」「Live with dusky lino」 指導教員 生嶋 順理 |
幼いときの編み物の記憶。三輪の絵画制作の原風景には、人がものを紡ぐ所作が常に在った。紙糸の光と影のインスタレーション、その様相を描く絵画、紡ぐリズムの版画。これらの制作を通して探ってきた共有される感性の形とは、時を紡ぎ生きる人の根源的な所作の連続であった。本修了制作の中心は、高さ2M、幅6Mにも及ぶ麻紐と紙糸を編み上げた作品である。それは、網膜的な絵画の諸相を超えて造形の本質的な有様を唯示しており、感動的である。 |
21753001 宇野 詩織(造形教育研究領域) |
「子どものための造形教育の研究(子どもの創造力を柔軟にさせる研究)」 指導教員 春日 明夫 |
教育者にとって、造形教育における創造力の育成は最も重視せねばならない課題の一つである。その育成のためには、発想・構想段階に着目し、その段階の柔軟な指導が重要であるという仮説に立脚し、実際に幼児、小・中学校において実践展開した題材の分析と考察は説得力がある。そしてテーマを検証するために13題材を開発した点も評価できる。何よりも論文の字数17万字、200頁以上という内容構成は修士論文の力作であり、素晴らしい研究であった。 |
東京造形大学大学院研究科長 春日 明夫
東京造形大学 学長 山際 康之