Home > 室建を支える人々 > 小野寺優元
長谷川章 地主広明 渡辺真弓 髙屋麻里子 小野寺優元 金谷光高 吉野誠一 森信真樹 鈴木紀慶 伊藤達男 伊藤雅子 小泉一斉 近藤 康夫 伊東 達三 小林勉 福村任生 鈴木実 関晴子 山本達雄 酒匂克之 坂本茂 大田省一 加藤修

室建を支える人々

小野寺優元
ONODERA Yuguen

非常勤教員

立体造形作品制作・アートマネージメント
Stone Art Works・Art Management

▼略歴

1950 岩手県一関市に生まれる
1978 東京造形大学彫刻科研究室修了

▼主な作品発表

1989~現在 CAF.N展
1994 ひろしま街づくりデザイン賞受賞記念個展
1997~2004 アイスランド日本の現代美術展
2008 川口市立アートギャラリーアトリア企画個展

▼講師・委員

1989~06 埼玉県大井町苗町街づくり委員
1994~95 埼玉県アートに出合うまちづくり推進構想検討委員
1996~97 彩の国さいたまアーティストレジデンス実行委員[副委員長・コーデュネータ]
2000~現在 東京造形大学講師
2005 文化庁文化芸術による創造のまち支援事業「鳩山アートプロジェクト2005」実行委員
2008 文化庁芸術拠点形成事業「アート竜巻フェスタ」実行委員
2008 国土交通省観光ルネッサンス事業「小江戸川越あるってアート2008」アートディレクター
2008 内閣府官民パートナーシップ事業「比企の里山ふるさとアートカフェ」実行委員

▼企画

1993~現在 CAF.N協会[事務局長]
2002~現在 国際野外の表現展[オーガナイザー]

▼公共施設作品設置

広島西部丘陵都市・ひたち海浜公園・小笠原村ビジターセンター・島根県隠岐空港・他

▼メッセージ

大地の精霊は、いたるところに現れ真なるまなこで人間の営みを見守っている。
The Deity has appeared everywhere,kept on watching what we do.

◆仕事と活動

2010年の主な活動

1.文化庁美術館博物館活動基盤整備事業の一環として「川越アートマップ」を作成(3月20日)
2.東京都江戸川区関口美術館における石彫展(6月12日~8月1日)
3.滋賀県大津市歴史博物館における「CAF.Nびわこ展」への出品。(8月1日~8月8日)
4.埼玉県鳩山町東京電機大学における「国際野外の表現展2010比企」のプロデュース。(9月8日~10月17日)
5.埼玉県立美術館における「2010CAFネビュラ展」への出品とディレクション。(11月10日~11月21日)

石彫作品の制作

1987年「野外の表現展」作品集に「縄文主義宣言」という文章を掲げて以来、私は、縄文時代に培われ、万葉の時代に花開いた「自然崇拝の美意識」が、私達日本人の奥底に潜んでいることを主題として石彫表現してまいりました。その頃、自然の豊かさを「母なる大地」というテーマで表現していましたが、石を素材と見なし制作した作品は、自己の思いが先に立ちすぎてしっくりきませんでした。
しかし、石に敬意を払い存在として意識するようになると、石の存在の中心と自己との間でエネルギーが循環し増殖するのが感じられ、作品の存在感が高まるのを感じました。現在は「大地の精霊」をテーマに自然の力を様々な形で表現する試行を重ねています。

アートマネージメント業務

海外、国内二百数十名のアーティストが参加している現代美術の団体CAFネビュラ協会の事務局長兼代表代行として、毎年いくつかの現代美術の展覧会を企画・運営しています。
また、アートの力を活用して地域の元気をとりもどそうと、里山環境がひろがる東京電機大学鳩山キャンパスを会場に、「国際野外の表現展」という野外インスタレーションの展覧会をプロデュースしています。海外から十数名のアーティストを招聘し、学生や一般のアートボランティアと国際的なアート交流活動を展開します。
2008年には、埼玉県川越市において国土交通省観光ルネッサンス事業の一環である「あるってアート2008」のアートディレクターをつとめました。

都市デザイン業務

全国のほとんどの主要都市を視察し、都市空間におけるアートのあり方について研究をしています。埼玉県大井町において「まちづくり委員」として土地区画整備事業に参画し、アートの積極的な導入を目指した都市デザインを提案しました。この新都市はバブル崩壊にあっても土地の価格が下がらず、建設省の「顔づくりモデル事業」に指定され、「建設大臣表彰」をはじめ、「ふるさとづくり優秀賞」、「さいたま景観賞」などを受賞しました。
1991年からは、広島アジア大会を選手村として開かれた「広島西部丘陵都市」において環境デザイン及びモニュメント制作業務に携わり、風水思想など古代東洋思想を取り入れた巨石モニュメントを12基制作し、広島まちづくりデザイン賞を受賞しました。埼玉県では、「アートに出会うまちづくり推進構想検討委員」として、芸術文化論的視点を取り入れた「埼玉県アート計画」の作成に参画しました。

芸術社会論的活動

インドネシア・バリ島のセミナーハウス建設に参加し、バリ島の芸術村やガムラン音楽について調査し、バリのアーティストによる展覧会、ガムラン音楽コンサート、バリ島唯一の女性版画家の展覧会などを企画し、バリ島王族との文化的交流をつづけています。
川越市においてアートボランティアのNPO「アルテクルブ」を発足させ、まちづくりとアートの支援を行う活動を進めています。これまで120回以上の個展と音楽会を開催し、現在会員は400名を超えています。
また「巨石文化」を芸術社会論的視点から研究しています。メキシコ、スペイン、ギリシャ、ポルトガル、中国などを訪れ、国内では飛鳥村、大阪城、姫路城、青葉城の巨石について調査しました。広島西部丘陵都市の12基の巨石モニュメントをはじめ、埼玉県飯能市駿河台大学、島根県隠岐空港など10トンから40トンの巨石モニュメントを制作しました。

「ディスプレイデザインI・II」授業概要

前期

第1課題 「自己象徴靴箱Display」<企画書とオブジェの提出>
「発想法」、「図表の活用」、「デフォルメ」の演習を行いながら、自己の価値感について調査を行ない、それらを通じて見えてきた自分らしさを象徴するオブジェを靴箱内部の小空間にディスプレイする。

第2課題 「室内空間Display」<企画書の提出>
ゴチックからアールデコまでのデザイン様式とラフパースの描法を学び、各自が選定した有名アーティストの個性と制作コンセプトを調査し、椅子を中心にその創作活動が行なわれる室内空間を、様式を意識しながら仮想し、透視図で表現する。

第3課題 「商業空間Display」<企画書と模型の提出>
感性にどのように作用するかという観点から、「空間構成の原理」や「素材研究」の演習を行ない、お酒によって感性が開放されたお客が心地よく酔える「酔空間」をディスプレイする。

後期

第4課題 「都市空間Display」<企画書の提出>
「ファーレ立川」や「川越のアートイベント」などを実例に、都市空間におけるアートディスプレイを研究し、各自実際のまちかどを特定し、その場の都市機能や歴史的文化的特色を踏まえながら、都市空間におけるアートディスプレイ計画を作成する。

第5課題 「詩想空間Display」<企画書と模型の提出>
「琳派」、「若冲」、「茶の湯」の研究から日本文化に潜む美意識を探り、詩的な想いに至る、現代の儀式を考案し、その儀式のための室内空間をディスプレイする。

第6課題 「楽園Display」<企画書の提出>
クライアント像とその人生哲学、価値感、理想などを具体的に設定し、そのクライアントに対する理想的楽園空間のディスプレイ計画を立案する。併せてプレゼンテーションの方法についても企画し、提案がクライアントに確実に受け入れられるための「プレゼンのあり方」についても試行を通じて学ぶ。