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ファニチャー

ファニチャー-研究指標へようこそ

ファニチャー(家具)のカリキュラムは、椅子やテーブルをデザインしたり、実際に制作したりすることを含みますが、それだけではありません。むしろ人間の身体と物の関係を考えるデザイン領域です。
例えば、家具といっても私達が日常で使用する製品としての家具から、アート的な意味を持った表現としての家具、時代の先端をいく実験的な家具まで、さまざまな目的と意図を持っています。
また、それを使用する人は健常な大人だけではなく、体の弱いお年寄りから、成長過程の子供にいたるまでとさまざまです。さらに、それらの家具が置かれるスペースとの関係も考えなくてはなりません。つまり、どんな人がどのような目的でどんな場所で使用するのかを総合的に考えることが家具に求められる要素であり、研究対象なのです。
そのために、斬新で高度なデザインの追求や、商品としてのデザイン開発、さらには子供のためのキッズサイズデザインの研究を行いつつ、人と物とスペースのデザインを総合的に考え、家具を計画するための知識や技術を身につけることをカリキュラムの目的としています。
もう一つ重要なことがあります。どのような素晴らしいコンセプトも、ものとして具体的に存在できてこそ価値がある、ということです。頭だけでなく、頭と手の両方が同時に働く、これがデザイナーのすばらしいところです。


課題作品紹介

【写真左】室内建築C(2年生必修科目): 課題作品写真 15mmと5.5mmの合板を用いて「座面を有した棚」をデザインし、実物制作までを行なう課題です。
【写真中央】家具デザイン(2〜4年生選択科目):「デジタルな自然」をテーマに椅子あるいはテーブルのデザインと制作をおこないます。
合板または線材を基本材料として、家具のイメージや動機の発見から表現にいたるプロセスを、技術と形態の双方において思考を重ね高度に感覚的なデザインを目ざします。
【写真右】家具B(3~4年生選択必修科目): 課題作品写真 新しいライフスタイルを踏まえたインテリア商品の開発課題をグループで行ない、既製のデザインから別の全く新しいデザインを生み出すリ・デザイン的手法による製品開発を、個人の課題として行なってもらいます。


その他にも、室内建築D-2(2年生必修科目)では家具と建築の中間領域で考える、小さな公共建築の設計を主に模型制作によって行なったり、家具研究(4年生選択必修科目)ではモビリスをテーマに可変する家具のデザインを、それらが設置される空間とともに計画してもらいます。

学生の声

中村早希
私は幼い頃からショールームや家具店に行くことが好きでした。
その流れで室内建築にめでたく入学したわけなのですが、そこで出会ったのが工房での制作活動でした。(笑)
「工房が誰でも使える」というのはとても恵まれています。本当に。
私は1年生の早くから工房を知り、課題制作に役立てることができました。
模型で提出すれば良い課題を実際の大きさで作ることも結構しましたね。(笑)
大変ですけどもかなり楽しいことです!
自分のデザインが実際に使用できますし、インパクトもありますしね。(笑)
この恵まれた環境をみんなもっともっと生かしていければと思います。
私は最後まで工房を使いまくります。(笑)

飯田萌奈
私は空間デザインというジャンルに興味があり室内建築に入学しました。
その中で入学して良かった事は空間だけでなく、いろいろなジャンルを学んで視野が広がった事です。特に「修辞的な椅子と再現的な椅子」というインテリアの課題で、家具のあり方を再認識した事で空間と家具の繋がりを知った事が大きかったように思います。
室内建築は建築から家具まで幅広く学べる科なのでジャンルに囚われずに発想を広げられる所が楽しいと感じています。

内山 歩
家具の授業での実物制作では、身体との関係性を探り、常に自らの考える新しい家具を意識し、学ぶことができます。いつ覗いても室建の学生がいる工房では、制作の難しさを知ると共に、刺激し合える関係を築けました。
心地よい緊張感と分野の境界線なく学べる楽しさがある、ちょっと個性的な室建教授陣の授業では、その先ずっと忘れない一言や、なるほど!と納得する一言、思わずふふふと笑ってしまう一言などが飛び交い、私はなんだかいつもついつい書き留めてしまいます!