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「リトルプレス 地域デザインの創造」開催のお知らせ

「リトルプレス 地域デザインの創造」開催のお知らせ 東京造形大学は2016年度に創立50周年を迎えます。その記念事業の一環として写真専攻領域との共催で、『リトルプレス 地域デザインの創造』展を開催いたします。
日本各地には、地域の魅力を発信しようと制作されている、リトルプレスと呼ばれる小さな出版物がたくさんあります。
発刊された雑誌や書籍、写真集はローカルな地域に限定されているものの、地域の歴史、景観、ライフスタイルをはじめ、日常に根ざした文化を多角的な視点から深く掘り下げ、その地域にある特性をきめ細やかに編集、デザインしています。
特にリトルプレスが扱う中心テーマには、それぞれのコミュニティを形成している地方文化の再発見があります。それら発信の底流には、流行に左右されない、持続可能な知恵や仕組みを実践する事例などが着目されています。そこでは日常の再発見を通じ、人と人、人と場所が結びつき、新たな価値やアイデンティティが見出される契機にもなっています。
さらに、多くのリトルプレスでは、写真が多用されているという特徴があります。写真が地域の個性、雑誌の個性を存分に引き出し、写真家の特性が色濃く表現されつつ、写真というメディアが持つ記録性によって、やがては地域のアーカイブズ化にも貢献していくことでしょう。
本展では、日本各地から代表的なリトルプレスを集め展示することで、その誌面で展開されている様々な地域文化や景観資源などを考察してみようと思います。一地域のローカルな現象や問題としてではなく、日本中に波及する普遍的な取り組みとして捉え、現代の社会が向かおうとする新たな価値観とは何か、その予兆を視野にデザインや写真を検証していくことを目指します。

会 期:2015年12月1日(火)~4日(金)
会 場:東京造形大学 ZOKEIギャラリー(大学院棟12号館1階)
時 間:10:00~16:30

読売新聞に紹介されました!

■ シンポジウム
リトルプレスからの報告

会場:ZOKEIギャラリー
日時:12月4日(金) 17:00~19:30
ゲスト:ゲスト:南陀楼綾繁(ライター、編集者)、淺野卓夫(サウダージ・ブックス代表)、宮脇慎太郎(写真家)
進行:中里和人(東京造形大学教授)
入場:無料


【ゲストプロフィール】

南陀楼綾繁

1967年、島根県出雲市生まれ。ライター・編集者。古本、書店、図書館、ミニコミなど本に関することなら何でも追いかける。2005年から谷中・根津・千駄木で「一箱古本市」を開催する不忍ブックストリートの代表として、各地のブックイベントにも関わる。「一箱本送り隊」呼びかけ人。著書『一箱古本市の歩きかた』『谷根千ちいさなお店散歩』『小説検定』『ほんほん本の旅あるき』など。

淺野卓夫

1975年、山梨県生まれ。出版社・編集者。2008年に「旅」をテーマにする出版レーベル、サウダージ・ブックスを神奈川県の三浦半島で旗揚げ。現在は香川県を拠点に、瀬戸内のまちと島を行ったり来たりしながら、文芸書、人文書、ノンフィクション、写真集などの本をつくっている。最新刊、宮脇慎太郎写真集『曙光』では、撮影・編集・デザイン・印刷製本をオール四国で行う“ローカル・パブリッシング”に取り組んだ。

宮脇慎太郎

1981年、香川県高松市生まれ。写真家。大阪芸術大学写真学科卒業後、六本木スタジオなどを経て独立。大学在学時より国内外への旅を繰り返し、日本では聖地と呼ばれる様々な場所を巡礼。2008年、高松に活動の拠点を移す。「日常の中の聖なるもの」を含む風景やポートレートの撮影に取り組む。2012年、仲間とブックカフェ・ソローをオープン。現在、季刊『せとうち暮らし』に「Turtle Island Stories」を連載中。