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わたしのニュードキュメンタリー 安達裕美佳



私たちは生きていく中で様々な場面に出くわす。

私は誰もがするように「これだ」と思うシーンを写真に残す訳だが、

撮った時果たしてそれが何であるのかを自分でもよく理解していない。

私は絵を描く人間だが、撮り溜めた写真は時に私の絵の材料になる。

撮った写真が何であるのか言葉で説明できない理由のひとつに、それが言語

化不可能なものであることがある。

それは構造的な話であり、質感の問題であり、言葉に置き換えたところで極

つまらないものにしかならない。

つまり,私は世界をそのように見た瞬間に写真を撮りたくなる訳だ。

私は時に大切な家族にすらそのような目を向ける。

むしろ大切な家族という存在と構造的な目線がシンクロしている部位におも

しろさを感じる。

地位や権力を除けば人間も物も同等にこの世に存在しているのだ。

ある被写体というものは何通りもの見方のできる可能性を秘めている。

毎日見ている台所の景色が、ある日突然初めてみた物のように感じる。

新鮮な目で世界を捕らえられた瞬間、そこに私のニュードキュメンタリーは出

現する。

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