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室建を支える人々

地主広明
JINUSHI Hiroaki

教授
Professor

オフィスデザイン
Office Design

▼ プロフィール

1981年に東京造形大学の当時の室内建築専攻を卒業後、恩師の勧めでオフィス家具メーカー(当時はまだ商社でした)に初のハウス・デザイナーとして入社しました。最初は興味がなかったオフィス・デザインでしたが、次第に面白くなり、特にオフィスのプランニングに関して関心が深まり、現在に至るまでオフィスの研究を行っています。
オフィス家具メーカー入社後、チーフ・デザイナーとしてオフィス・プランニングやオフィスのインテリアやショールーム、展示会のデザイン、オフィス家具のデザイン等を行い、その後、社内に発足し、上述の恩師が所長を務めたオフィス環境研究所で主任デザイン研究員、その後、急逝した恩師に替わり所長を歴任いたしました。
本学には、上述のオフィス環境研究所時代の1987年に戻り、現在に至っています。
主な研究はオフィス・デザインで、現在、京都工芸繊維大学が主体として産官学共同で発足した次世代オフィス研究センター(NEO)の特任教員としても活動しています。
関連学会の日本オフィス学会では編集委員や企画委員長をやっています。また建築学会のワークプレイス小委員会のメンバーも務めています。

「NEO研究会 東北大学(2010)」
「NEO研究会 東北大学(2010)」
本学同様NEOに参加している東北大学での研究会の模様です。

「日本オフィス学会セミナー(2010)」
「日本オフィス学会セミナー(2010)」
2010年3月に開催された日本オフィス学会のセミナーでオフィスの歴史を話してきました。

◆仕事や研究活動

私の仕事領域~オフィス・デザインって何?

私の専門はオフィス・デザインです。でも、あまり一般の方には興味を持たれません。
インテリア・デザインというと住宅や店舗(レストランやアパレル・ショップ)が一般的で、オフィスのインテリアに興味を覚える人間は私たち少数の専門家だけ、というのが実情です。
日本の住宅は美しい、ショップ・デザインも秀でている。でも、オフィスはダメダメくん。これが現状なのです。
確かに、日本でも、美しいオフィス・ビル建築や綺麗なロビー空間や格好いいエントランス、華やいだオフィス・インテリアはあります。でも、ここで言う、オフィス・デザインとは、そこで働くワーカーが喜びを抱き、仕事における自己実現を達成させ、知的生産性を向上させることを目標としています。単に美しい空間ではないのです。
そのように書くと、オフィス・デザインが難しそうに感じますが、むしろ逆で、専門家が少ないとういうことは、これからますます開拓可能な領域でもあるのです。チャンスはみんなに開かれているのです。
私のゼミナールでもオフィス・デザインを実践しています。オフィスに関して右も左も分からない学生が、実際に企業のプロジェクトに参加し、学生の視点から新しいオフィスの姿を提案しています。企業の方々もそんなフレッシュな提案に時に驚き、時に呆れ、時に刺激され実際のオフィス・デザインに反映されています。
そんな、未開なデザイン領域に、これを読む全ての人に是非とも足を踏み入れて欲しいと心から望んでいます。

「富士ゼロックスR&Dスクエア(2010)」

◆ 私の仕事紹介~オフィス・デザインってどんなもの?

1981年に東京造形大学を卒業してオフィス家具メーカーに入社後、様々な形でオフィスのインテリアに関わって来ました。画像の「ツルゲン」では、無意識なコミュニケーションを活性化させる迷路動線というコンセプトで迷宮的なオフィスを実現しました。おそらく、こんなグニャグニャしたプランは日本初だったと思います。
ツルゲン(1983)

その後、迷路動線に加え「広場」のあるオフィスを提唱し、オフィス内の人々が相互に出会い、コミュニケーションを活性化するオフィスを数多く手がけてきました。画像の「セネット・センター」や「KSP創造型サテライト・オフィス」は、その頃の作品で、セネット・センターでは、広場を中心に業種の異なる3社を結びつけ、KSP創型サテライト・オフィスでは、オフィス内の5つの業務機能(グループで考える→個人で考える→再度グループでまとめる→プレゼン資料を作る→クライアントに発表する)それぞれに適切な空間を作り、それらを広場を中心にまとめています。
セネット・センター(1989)

画像の「Dプロジェクト」では、近未来のオフィスの姿として、ワーカー自らがオフィスのインテリアを作っては壊していけるような仕組みを組み込んだオフィスを提案しました。でも、ちょっと未来すぎて採用されませんでしたが(笑)。
最近は、プロフィールにも書きましたが様々な研究会や学会で暗躍しています。画像の『オフィスの夢』は、2009年に、私も特任教員を務める次世代オフィス研究センター(NEO)から刊行されました。ちなみに、表紙は私のデザインです(たんに予算がなく専門のグラフィックデザイナーに頼めなかっただけですが…)。
また、いまでも設計業務にはコンサルタント等で参加しています。2010年にみなとみらいに完成した富士ゼロックスの新社屋のオフィス・プランニングにもアドバイザーとしてお手伝いして、新社屋のとある壁面にある、このプロジェクトに関わった方々の氏名が彫られたプレートに私の名前も連なっています。暇なときに探してみて下さい。
Dプロジェクト(1998)・『オフィスの夢』(2009)

「NTTファシリティーズ東海支店(1996)」 「NTTファシリティーズ東海支店(1996)」
名古屋にあるNTTファシリティーズのオフィスです。それまでのオフィスでは組織替えが行われるとデスクの配置までいちいち変更されていましたが、ここでは、デスクは固定されて、ワーカーの方が入れ替わる方法が試みられています。

「アベノア・アジア(1998)」
ホテルの1室を改装してオフィスにした例。これからはこんな小さなオフィスが都市の中に点在していくことが予想されます。


◆学生たちの作品紹介~大学でなにを教えているの?

担当授業科目は、私の専門領域である「オフィスデザイン」や、家具・インテリア・デザインに関する「家具A」「家具研究」等を教えています。その中でいくつかの授業の学生課題作品や、学外のプロジェクトで実現した作品を紹介以下に紹介します。
画像の「NEXT OFFICE」は、オフィスに関する課題で、近未来の都市の中で、ゲリラ的に現れるオフィスの姿を表現しています。
画像の「ブリッジ・オフィス」は、私のゼミの課題作品で、同じく近未来のオフィスは、ビルの中にあるのではなく、みんなが出会う、路地やブリッジにある方が刺激的だという提案です。
「NEXT OFFICE」戸田歩武・松口賢士(2001)

「ブリッジ・オフィス」梁井路子(2004)

画像の「家具A」授業風景」は、授業終了時、学生が制作した巨大な椅子を囲んでの記念撮影です。また、画像の「包まれる」は、同じ授業で提案された椅子の模型(1/3)です。座るのではなく、この中に入って包まれる椅子を提案しています。
「家具A」授業風景(2010)

画像の「Houscaping」は、私が担当した卒業研究作品の1つで、毎年、建築系のユニークな作品が近代建築社発行の『卒業制作』に掲載されるのですが、この年はこの作品が選ばれました。画像は実際に雑誌に掲載された1ページです。
「Houscaping」堤 沙織(2010)

画像の「虚。実」は、大学院の授業で、村内ファニチャーアクセスさんとの産学協同プロジェクトで、村内さんがお客様から回収した本来、破棄される古家具を複数使って新しい家具に再生する、というものです。画像のボード(※画像の01がボードです)の上の方にある2つの古家具を合わせて1つの家具に再生しています。
「虚。実」周 宛臻(2009)

学外のプロジェクトとして、画像の「MIKIMOT0」は、銀座とのコラボレーションによる、ディスプレイ・デザインのコンペで、MIKIMOTOさんのショーウインドウを担当致しました。
同じく学外のプロジェクトとして、画像の「町田市民病院プロジェクト」は、町田市民病院さんからの依頼で、1Fロビー空間にロビー・チェアを学生がデザインして設置しました。「こもれび」をテーマに、透明アクリルに葉っぱが描かれたデザインになっています。
MIKIMOTO 富樫実里(2006)

「東京デザイナーズウィーク(2009)」