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留学生レポート(黒田舞香)

黒田舞香

領 域 : グラフィックデザイン
留学先 : イギリス サウサンプトン大学ウィンチェスター美術学校
期 間 : 2011年1月28日~4月6日
担当教授 : Paul Stevens
研究テーマ : アート的なデザインが生まれ、当たり前にある環境とは


研究概要(日程・内容など)

1/31 ガイダンス 課題1説明
2/2 ウェルカムイベント
1/31~2/16 課題1・2説明、調査、制作
2/17 課題1講評
2/21~3/2 課題3の説明・調査・制作
3/3 課題3講評
3/4 課題4説明
3/7~3/11 Formative feedback week
3/14~3/17 課題3の作品を展示する準備
3/17~3/24 課題3展示
3/18 課題4レクチャー
3/18~3/31 課題4制作・講評
4/1 課題2 提出

授業形態
週2回、チューターと学生5人でディスカッション
週1回、教授によるレクチャー
ソフトウェア(In Design)講習

(Formative feedback weekは未提出の課題がある場合に提出するおさらい週間のようなもの)


研究成果

2010_03_01

課題1 SUPPLEMENT

指定されたデザイン雑誌から1つを選び、その雑誌の付録の冊子を想定して制作。
3つ以上、6つ以内の特集記事にすること。

私は建築デザインの「BLUEPRINT」を選択し、窓だけに焦点を絞った特集を見かけないと思い、窓をメインテーマに「窓の解析」「外から見た窓」「内から見た窓」「窓の歴史」という4つの特集記事にしました。
写真は、私が実際にウィンチェスターの街を歩いて撮影したものを使用しました。

課題2 REFRECTIVE JOURNALS

自分のアイデアはどこから生まれているのかというのを解析し、自分の反射とするレポート課題。

これは10週間という長いスパンでの課題でした。
自分が良いと思ったビジュアルを集め、それのどこが良いかを調べ、そしてなぜ自分はそれが好きだと感じたのかという作業を繰り返し、自分が何で構成されているのかというのを知るというものでした。

2010_03_02

課題3 GENIUS LOCI

“魂の宿る場所”を自分の身近な場所から見つけ、そこで感じたことをビジュアル化するという課題。
提出形態は基本的に自由。

私は学校と寮の間にある自然公園に足を運びそこで感じた穏やかな静けさをポスターで制作。身近なところにも心を癒してくれる自然があるという意味を込めました。

課題4 SELF-INTIATED PROJECT

学期最後の自主制作課題。

本来ならば9週間かける大きなプロジェクトだが、私は帰国しなければいけなかった関係で、2週間でできるコンパクトなものを制作することになりました。
たまたま図書館で手に取ったポスター年鑑が世界中のデザイナーのたくさんの作品が載っていて、こういう展覧会があったらいいなと考え、世界のグラフィックデザイナーのポスター展を開催することを想定し、そのポスターとチケットを制作しました。


2010_03_03

学先指導教員による指導内容

最初に5人~6人のグループに分けられ、週2回のディスカッション形式の授業でした。少人数であるということと、同じグループのクラスメイトからもたくさん意見がもらえること、そしてチューターは“先生”や“教授”というよりももっと親しみやすい存在で、親身になって教えてくださったりと、とてもよい環境で制作ができました。

割り振られたグループを担当するチューターにもよりますが、私の場合はしっかり具体的にアドバイスしてくださる方で、英語が拙い私でも理解でき、分からない部分は紙に書いたり、もっと分かりやすい言い回しで伝えたりととても親切に教えてくださりました。

課題ごとの最終講評は、毎週のディスカッションを担当してくださる先生とは別で、自分の作品の途中結果を全く知らない2人の先生によるものであることも良い緊張感が持てました。


留学中に、特に印象に残った点および反省点

2010_03_04初めてのヨーロッパ、初めての一人暮らし(ルームメイトはいましたが)、クラスメイトは色々な国から来た人たちで、授業形態も造形大とはまったく違うという真新しい環境での制作は日々発見の連続でした。
特に学生の課題に対する姿勢の違いに大変驚きました。リサーチにとても時間をかけ、1つの課題でスケッチブック1冊使い切る人もいて、大変驚きました。
日本人の“なんとなく伝わるだろう”という精神ではいけないとは承知していても、根底にはその考え方が自分にあることに気づき、やはりまったく通用しないということを痛感し、それを打破しなければと努力できたのも日本から離れた地だったからこそできた貴重な経験だったと思います。

クラスメイトの作品のアドバイスにチューターがradioheadのCDジャケットを例に挙げたり、レクチャーが始まる前の空き時間に参考映像としてchemical brothersのミュージックビデオを上映したりしていて、さすがUKミュージックの本場!と感動しました。

そして、私は東日本大震災を思わぬ形で被災せずに済みました。
まさかこんなことになるとは…と、インターネットで見たニュースをしばらく信じることができませんでした。
日本の報道は回線が混んでいてしばらく見ることができず、震災から1週間ぐらいはイギリスの国営放送BBCの報道を見ていました。
イギリスから見ると遠いアジアの国で起こったことであるので、少しショッキングな映像なども流れ、心がとても痛かったです。
しかし、BBCで数日間トップニュースで扱われたり、新聞も1面で報道されていることに、日本という国の影響力を知りました。
実際に被災する怖さとは違う、情報がなかなか入ってこないので日本がどのような状況なのか分からないという恐怖がありました。
でも、クラスメイトやルームメイト、チューターが心配をしてくれたり、学生自治会がチャリティーイベントを企画したりなど、国の隔てを越えた人の温かさに触れることができたおかげで最後まで頑張ることができました。

反省点は英語力をもっと身に付けて行くべきだったことです。授業内容を把握するにも専門用語が入ってきたりで時間がかかったりしてしまったのが痛手でした。
浅いことしか伝えることができないもどかしさ、そしてクラスメイトなどともっともっとコミュニケーションが取りたかったという後悔があります。
しかし、拙い英語でも積極的にコミュニケーションを取っていく度胸を身に付けられました。
課題内容をチューターやクラスメイトが私に改めて確認を取ったり個人的に教えてくれたりと優しい人たちに恵まれていることを実感して感謝でいっぱいです。

今回このような素晴らしい機会を頂けたこと、そして留学にご理解とご協力をしてくださった皆様、本当にありがとうございました。
この経験を生かして頑張って行きます。