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留学生レポート(石原有実子)

石原有実子

領 域 : 絵画
留学先 : イギリス サウサンプトン大学ウィンチェスター美術学校
期 間 : 2010年2月1日~3月12日
担当教授 : Caroline Hill
研究テーマ : 「生活~理想と現実の間に生じる違和感について~」


研究概要

ishihara01
2/1 printmakingのクラスに配属される。

≪制作日程≫
・ 2/3~2/10   エッチング制作1 
・ 2/11       シアノタイプ制作
・ 2/12~3/1   エッチング制作2
・ 2/15・2/22   シルクスクリーン制作
・ 2/19・2/20   ゴム版画制作
・ 3/2~3/11   Book making 制作


ishihara02
≪学内展示≫
・ 2/4~2/19
・ 3/1~3/8

(図) 展示の様子


≪研究内容≫
新たな土地に足を踏み入れ“生活”へと変わっていく瞬間、それは期待や理想ではなく現実のものとなっていく。

生活の中の一場面に、非日常的な要素(丸の集合体)を加えることで人の内面を表現し、見えているものとそうでないもの、ここにあるようでないような理想と現実の間に生じる違和感をテーマに版画によって制作した。


研究成果

ishihara03
(左)エッチング作品1 (右上)エッチング作品2 (右下)Book making ワークショップ作品


留学先指導教員による指導内容

〈 ワークショップ 〉

・ エッチング実習 (版の制作、ドローイング、腐食、刷り、アクアチント、シュガーリフト)
・ シアノタイプ実習
・ シルクスクリーン実習 (ドローイング、製版、刷り、落版、Photoshopビットマップ)
・ Book making 実習 (表紙シルクスクリーン制作、エッチング制作、製本)

〈 授業 〉

・ ミーティング(クラスでの打ち合わせ、講評会等)
・ ギャラリー見学
・ プレゼンテーション(生徒の研究発表)
・ Cross Pathway Crit. (ディスカッション)
・ TALKING HEADS (アーティストを招いての講義)

≪ 指導について ≫

留学の滞在期間が短いということを配慮してもらい、留学二週目には制作になるべく多く費やせるカリキュラムに変更してもらいました。

先生方は生徒への指導に熱心であり、合間を見ては面談を行い、作品制作や授業について話をしました。
その際も私が知らないいくつかのアーティストについて紹介してもらい、リサーチの重要性を感じるきっかけを与えてくれました。

ワークショップは版画の実践がほとんどで、日本で一通り学んできたこともあり、言語や道具が違っても、制作方法の根本は同じなのだと感じました。

作品については留学先の生徒たちとはまた異なるタイプであった為、作品の密度に面白いと評価をいただき「強靭な忍耐力の持ち主」と言われました。
アトリエから見える小川の景色はとても印象的です。豊かな環境、新しい人々との出会いは良い刺激になり、きめ細かい指導のもと、のびのびと制作できました。


留学中に、特に印象に残った点および反省点

≪印象に残った点≫

生徒の発言能力の高さには驚かされました。属していたクラスに限らず、生徒たちの常に素材を探す姿勢が強く印象的です。どんなことにも「よく見ているなぁ」と感じさせられました。作品の表面だけではなく、その内面を裏付けるリサーチの深さが発言へと導いているのだと思います。

留学先で出会った違う国の人たちが、自分の国のこと以外にも、他国の文化に関心が高く広い視野を持っていたこと。
自分が日本のことをあまり知らなかったり、つい「ここで」という狭い見方になりがちなことに気がつきました。
「どこでも」という発想を持つことはとても大事なこと。今回留学で見つけてきた大切なことは、今後自分次第できっと日本にいても、どこにいても見つけていけるものだと思っています。

帰国して一番に感じていることは、人への感謝の気持ちでしょうか。
振り返って尚思うことは、壁にぶちあたる毎日で、その度に親切にしてもらいたくさんの人に助けてもらっていたことです。
それは日本でも同じこと。日頃日常の中で忘れてしまいがちなものですが、本当に返しても返しきれないほど。その優しさに甘えるだけではなく、困っている人がいたら今度は自分が同じように優しくしてあげたいと思います。

また留学という機会を得て、これほどたくさんの国の人が集まる環境に身を置いたのは本当に初めてのことで、旅行とはまた違う感覚で海外で生活できたことでアジア人・日本人としての自分とも初めて向き合いました。
留学は「生活」と「制作」、「交流」に精一杯力を注いだ充実したものとなり、今回の経験で得てきたものを今後活かせる自分でありたいと感じています。
留学にあたり協力をしてくださった方々に深くお礼申し上げます。

≪反省点≫

言葉の壁は想像以上に遥かに高いものでした。ある程度聞き取れる状態で留学に望みたかった、というのが本音です。

日本にいる時のようについ笑って済ませたり言葉を濁すことはできず、生活の中のあらゆる場面で「伝えたいことはなにか」を常に求められました。
言語では本当に苦戦し、実際には伝えきれなかったことがほとんどでそれは悔しいものです。

伝えることを諦めかけた時も、違う国の留学生に「Try to explain!((諦めないで)説明してみて)」と言ってもらい、電子辞書片手に時間がかかってもちゃんと話を聞いてくれたことはとても嬉しいことでした。

たとえ上手く言葉が通じなくても、作品を通してその人の伝えようとしていることが分かったり、ジェスチャーや絵を使って伝えることはいくらでもできると思います。
「伝えよう!」という気持ちでコミュニケーションをとることは本当に大切なことだと学びました。

“英語”は今後の私の課題。
いつかこれを乗り越えて、もっと多くの人たちに出会いたいです。