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留学生レポート(井上萌子)

井上萌子

領 域 : サステナブルプロジェクト
留学先 : オーストリア ウィーン芸術アカデミー
期 間 : 2009年1月9日~3月31日
担当教授 : Prof. Gaugele
研究テーマ(タイトル) : CASA PROJECT
               −廃傘を用いたものづくりによるサステナブルな社会の創造—


研究概要(日程・内容など)

1月8日〜21日

ウィーン中心部にあるギャラリーや美術館、建築物を毎日見てまわる。そんなに大きな街ではないが、毎日行ってもまわりきれないほど多くの美術やデザインに関する施設が点在している。 街を歩きながら、どんなものが廃棄されているか、人々の生活の様子などに目を向ける。残念ながら捨てられた傘は一本も見つからず。。 アカデミーはWinter Termの終わりの時期で授業がほとんどなく、3月から始まるSummer Termから参加してくれとのことだった。

1月22日〜25日

inoue_01アカデミーで開催された学内展示会を見てまわる。時期的には造形大の中間発表にあたるが、ほぼ全ての教室を使った大規模な展覧会だった。私はテキスタイル学科への留学だったが、この展覧会で絵画や映像、写真、建築といったすべての学科の作品を見ることができ、またどのような授業が行われているのかもわかって、とても面白かった。またワークショップやセミナーに参加した。


2月1日〜28日

アカデミーは1ヶ月間お休みだったので、ヨーロッパ各地を見てまわることにした。 訪れたのはプラハ、チューリヒ、ベルリン、ロッテルダム、ロンドン。 いずれもミュージアムや建築を見て歩いたり、サステナブルデザインの現状をリサーチしたりした。 特にロンドンは洋傘の発祥の地であることから、老舗の傘屋さんへ行って話を聞いたり、修理する文化についてのリサーチを行った。
inoue_02

3月1日〜31日

Summer Termが始まり、テキスタイル学科の授業 に参加した。平日は毎日朝9時にアカデミーへ行き、授業がない時間は制作スペースを使って廃材を材料として制作を行っていた。


研究成果

inoue_03“ CASA PROJECT in Wien”
26th March 2009, 13:00—17:00
students room
Exhibition/Workshop/Café

3月26日(木)、アカデミー内の学生用スペースを使って、展覧会を行った。 タイトルは ”CASA PROJECT in Wien”。 滞在中に集めた廃傘や生活していて出てきたゴミ、街なかで拾ったものなどでバッグ類を中心としたプロダクトを制作し、展示した。 また日本で何度か行っているCASA workshopを企画し、アカデミーの学生を対象に廃傘の布を使ってバッグを制作するワークショップを行った。

3月の2週目頃から担当の先生に展覧会をさせてほしいとお願いし、開催が決定したのは19日だった。それから一週間はポスターや招待状、展示物の制作、ワークショップの準備とバタバタしたが、とても充実した日々を送ることができた。 当日は午前中にディスプレイをし、展覧会が始まると想像以上にたくさんの人が見にきてくれた。サステナブルデザインという言葉はまだ多くの人が聞き慣れないようだったが、私が制作したものを見て、いろいろと感想を言ってくれた。ワークショップでは新しいデザインのバッグが生まれたりして、とても楽しい時間になった。 かなり強行突破で行った展示会だったが、なんとか形にすることができてよかったと思う。

※ウィーンでの滞在については自身で綴っているブログ(http://houkoinoue.exblog.jp/)に記録した。


留学先指導教員による指導内容

 とるべき授業について教えていただいたり、1月末の展示会で開催されたワークショップやセミナーへの参加をさせてもらったりした。  また担当の先生以外の先生からもいろいろと指導していただいた。  衣服におけるリサイクルの現状のビデオを見せてもらったり、プリーツ加工を行っている工房に連れて行っていただいたりした。


留学中に、特に印象に残った点および反省点

3ヶ月という期間はあっという間で、せめて半年はいたいと思った。 また時期的にもすごく中途半端で、やっと授業が始まったと思ったら帰国、という感じだった。
ただ時間が限られていたからこそ、行動が活発になっていろんなものを見てまわることができたし、制作にも集中できたのではないかと思う。ただ旅行で行くのと、実際に滞在し生活することがどれだけちがうかということを感じることもできた。
向こうで滞在していて思ったことは、時間の流れがゆっくりになり、一日一日がとても充実するということである。日本にいると情報が入ってきすぎるせいか、どうしてもバタバタと生活してしまうが、ウィーンでの生活のリズムを、帰ってからも持続したいと思った。
授業に関しては、学生の授業に参加する態度の違いが特に印象的だった。日本の受け身的な授業とちがい、みんなしきりに質問や意見を先生に投げかける。興味を持って授業に参加していれば当たり前のことなのだろう。私も最初はたじたじしていたが、帰国前にはだいぶ口をはさめるようになった。
反省点としては、やはり語学。英語に関しては勉強していった(といっても簡単な日常会話くらいしかできない)が、ドイツ語に関しては全く勉強せずに行ったのがよくなかった。もちろん現地の人の多くは英語を話すが、やはりあいさつやお礼はドイツ語で言うべきだし、せめて自己紹介くらいはできるようにしていくべきだった。
とにかくあっという間の3ヶ月だったが、ウィーンという地に滞在できて本当によかった。この経験を活かして、今後も研究活動に励みたいと思う。