『site.』
船隠雄貴
Gallery Kyabetsu Batake
2009年5月19日(火)-5月25日(月)
記念すべき第一回目は、絵画専攻4年船隠雄貴さんの個展『site.』を取材させて頂きました!
展示会場であるGallery Kyabetsu Batake は、造形大からほど近い相原町にあるギャラリーで、東京造形大学、武蔵野美術大学、多摩美術大学の学生と近隣の若手作家によって運営されています。
取材当日も運営スタッフの方や、各美大の学生、造形大の学食の職員さん(!)など、多くの人で賑わっていました。
作品、制作のテーマ、コンセプト
-まず、作品制作のテーマやコンセプトについて教えて下さい。どんなことを考えながら日々作品を制作に取り組んでいるんですか?
「絵を描く、ということを常に考えています。絵で何かをしたい、とか、何かのために、とは考えていなくて、まずは自分の欲求に近いところから描きはじめます。それで色々描いてみて残ってくるものに、自分が必要としている何かは出てくるのかな、と。だから今は色々動いてみています。画面を成り立たせるために必要な物はその時々で変わってくるし、行き当たりばったりかもしれないけど感覚的に画面を変えて色々試している、という感じです。」
-作品では、様々な風景や身近にあるものを描いている印象を受けたんですが、自分に身近なものや、日常というのは意識したりしているんですか?
「どうだろう・・・、でも全部自分が見て来たものにはなっていますね。今そうなっているのは、それがやっぱり自分の中で引っかかってるんだと思います。あまり意識した事はなかったですが。」
-そうだったんですか。無意識に、という感じですかね。
「展示してみて初めて気づいたことは本当にたくさんありますね。それもそのひとつだと思います。身の回りを写真撮ったりスケッチするのがあって制作に入るのですが、それらを取り込んで絵に自分の感情とかを出したい訳ではなく、もっとさらっとやりたいんです。
-あ、それはすごく伝わってきます。わりとフラットな感じで出していますよね。
「しつこくやりたくなくて。しつこくやるとどんどん自分に作品が近づいて、自分のものになってしまうというか、だから描く時は結構自分の感情みたいなものを入れないようにしている気がします。自分に遠いところに作品は在ってほしいという感覚があります。」
-確かに身近なものを取り込んで出しているけど、出すときは感情を排除している、という感じがすごくしますね。
「たぶんそうやっていても絵に出てしまうものがあるんだと思います。それが自分の何かとして残っているものだとも思うし、必要なものになるのかなって。描いている段階ではそれは分からないけれど、でもこうして展示して比べてみると、共通項というか、いるものいらないものが見えてきて、自分でも整理して次に進める感じです。作品は自分自身が鑑賞者として観たいし、人にもそれぞれ好きな感じで自由に観てもらえたらいいです。」
今回の個展『site.』について
-今回の個展『site.』のコンセプトや、開催の経緯を教えて下さい。
「今回はここのギャラリースタッフの高倉君に、個展という形で展示をやらないかと声をかけてもらったのがきっかけです。自分は個展はやった事なかったのでやってみよう、と。自分はこの辺りの町起こし的な運動、試みに去年関わっていたのもあって、結構街の人たちが通って観てくれるというのを聞いて『それいいな』と思ったんです。美術に興味がある人だけじゃなく、色んな人にふらっと寄ってもらって、ああだこうだ言ってもらいたいなあと。
-確かに銀座などのギャラリーとは違って、ご近所の人をはじめ、色んな人が気軽に寄ってくれそうな場所ですよね。実際に来てくれたお客さんの反応や意見はどんな感じですか?
「絵については自分でも思ってもいないような。本当に色々な意見がありました。そういうのを聞いて、今後いるものといらないものが自分からと外からの意見を通して考え直せて、また進めるかなと思います。」
今回の展示作品の制作について
-今回の作品の制作に関するエピソードを教えて下さい。色々な過程や感じた事、考えた事、苦労した点など何でもいいです。
「まだぜんぜん収拾がついてないですが、変に作為的にならずに、いつも通り描けるかという事はありました。個展用に描くとか、ギャラリーの雰囲気をみているのでそれに合わせて描くというのが無意識に働いてる気がして。もしかするとそれがよかったのかもしれないですし。制作期間は苦しいのは当然なんだけど、画面に筆が触れている時にそれが絵に出てしまうとつまらなくなると自分は思うから、描いてるときはすごく楽しんで描いてます。不安なのは離れて観たときですね・・・。」
-なるほど。やはり作品を客観的に、という思いが強くあるんですね。色などはどのように考えて使っているんですか?自分の好みなのか、他にも例えば意味などがあったりするんでしょうか
「最終的には感覚だと思います。この色だという確信を持ってキャンバスにその色を置いてみても、周りとの関係が破綻していたり、なんか違うなあと思う事が結構あって、もっと色々試してみたいなあと思っています。色だけでなく、形や質など様々な要素があって、それらを描いている時に合致させたいというか、確かに描いているというリアリティーを持って描きたいです。」
今後の展望
-今回の展示等を経て、今後の展望をどんな感じで考えていますか?
「段階として、絵を描くということを核にいろいろ動いていきたいと思っています。まずは絵を描ける環境に自分を置きたいです。絵を描く事を続けられる場所に自分を追い込みたい。そこから先はまた別の環境を見つけていけるのではないかと。そんな風に考えています。」


1987年 12月14日香川県出身
2006年
東京造形大学絵画専攻入学
東京造形大学CS祭 グループ展
2007年
東京造形大学絵画科代博覧会 展示
2008年
東京造形大学 自主制作展 グループ展
町田市政50周年記念イベント
「玉のよこやま アート&ウィーク」
カフェ・ショコラにて展示









