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2014年度 ZOKEI賞について

2014年度ZOKEI賞受賞者は、以下のとおり決定いたしました。 受賞者には、別途通知いたします。


学部(31作品)

専攻領域 学籍番号 氏名
グラフィックデザイン 101046 櫻井 駿
101051 正田 碧
101065 手嶋 卓
101083 藤代 紗椰
101098 山口 美咲
101103 吉岡 弥生
写真 102007 清水 彩那
102010 平本 倫子
映画 103011 柴野 太朗
103024 西村 果那子
103037 山本 英
アニメーション 104010 小堤 悠香
104023 中西 七海
104030 藤嵜 輝
メディアデザイン 105003 麻植 久視子
105007 加藤 太一
105302 櫻井 香織
室内建築 106006 神谷 礼香
106012 後藤 快太
インダストリアルデザイン 107012 金口 誠
107019 柴垣 瑛才
107041 渡来 なつみ
テキスタイルデザイン 108018 中村 美月
108028 山本 遥
絵画 121016 大和田 愛子
121023 菊池 遼
121054 二井矢 春菜
121064 星野 明日香
121065 堀越 宏太
彫刻 122017 仁平 広之
122019 細木 香

2015年2月12日

ZOKEI展審査委員会委員長  井原 浩子
東京造形大学学長       有吉 徹





大学院(5作品)

修士論文・修士制作(5作品)

研究領域 学籍番号 氏名
デザイン 21351030 松田 真生
21351031 松本 健明
21351034 吉本 悠美
美術 21352010 佐藤 友治
21352015 増田 奈緒

推薦理由


■21351030 松田 真生(デザイン研究領域)
「site」  主査教員 中里和人

都市を対象にした写真表現は、ランドマークや特別な場所性を表出させる都市論的表現が数多く見られる。
しかし、作者はどこにでもある夜の東京の無名な光景を、執拗かつクールにドキュメントしている。
そこでは、湿潤な夜気の中に様々な人工照明が入り交じり、建造物と植物がカオティックに混在していく。
都市空間のありふれた日常しか無いものの、デジタルカメラの奇妙な発色と写真特有な偶然飛び込むノイズ景を呼び込み、自意識と風景の隙間から、虚飾性を帯びた新しい都市のランドスケープが生まれ出てきた。

■21351031 松本 健明(デザイン研究領域)
「Unstable Scale Room」  主査教員 沖 健次

20世紀の建築やデザインの歴史においてグリッドは物事の認識と計測における基準となり、均質化や無化という近代主義の概念を生みだし、大きな変革をもたらした。
この均質グリッドの比率を幾重にも変え、重ねあわせ、ズラし、さらにレンズという媒体を通して見せることで、拡大と縮尺という錯視による虚構的世界を重層させ、身体感覚の混乱を導こうとした。
スケール(縮尺)という曖昧で未知の感覚領域において、まったく新しい表現を見いだす作品となった。

■21351034 吉本 悠美(デザイン研究領域)
「呼吸」  主査教員 鈴木マサル

エッチングの様な緻密な描写で構成された、圧倒的な存在感を持つテキスタイルが秀逸である。
作る行程、技法はごく一般的なシルクスクリーンプリントであるが、「呼吸」というテーマの元に描かれたデザインはデジタル処理をほぼ行わない事で作者のイメージ、コンセプトを生々しく伝える事に成功している。
柄のリピートの処理等の技術力も高く、エネルギッシュな研究姿勢や自身の探究心から来る、生命力溢れる作品群を高く評価した。

■21352010 佐藤 友治(美術研究領域)
「ギラギラガールズ」  主査教員 高橋淑人

作品名が「ギラギラガールズ」と言う一見ふざけたタイトルだが、現代の若い女の子を中心とした「カワイイ文化」日本政府までが文化戦略として打ち出してしまった、この無責任な時代に生きなければいけない青年として、この文化に対してリアルで複雑な反応をしている。
反感でも共感でもない複雑な感覚から立ち上がるエネルギーの強さが独特な魅力になっている。
「アジア的REMIXポップカルチャー」と言って良いのではないかと思うが、現実の文化のシーンの方が表現よりも馬鹿げた状況であり、混乱して、あらゆる表現が混沌としたままのアレンジであり、ミックスされた「寄せ鍋的な表現」なのだと思う。

■21352015 増田 奈緒(美術研究領域)
「連なる自然の見方」  主査教員 木下恵介

制作者は、長い時間が造り出した自然の様々な表情を、銅版画の画面に定着させることを研究テーマに制作している。
大学院進学時から修了制作の計画を立て、2年間をかけて制作された12点の連作は、細密な描写と膨大な時間の積み重ねによって、緻密で完成度の高い画面作りに見事に成功した。
今回の展示作品は、学部1年次より続けてきた浅い奥行きと自由に配置された自然物による独自な制作の集大成として高く評価できる。


2015年2月12日

東京造形大学大学院研究科長   沢 良子
東京造形大学学長        有吉 徹