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2011年度 ZOKEI賞について

2011年度ZOKEI賞受賞者は、以下のとおり決定いたしました。
受賞者には、別途通知いたします。


学部(31作品)

専攻領域 学籍番号 氏名
グラフィックデザイン 801035 千葉 光悦
グラフィックデザイン 801053 平井 美紗
グラフィックデザイン 801064 宮袋 智美
グラフィックデザイン 801069 山田 千晶
写真 802013 杉澤 直哉
写真 802019 栁瀬 渉
映画 803013 古地 良子
映画 703037 山田 遼
アニメーション 804010 小田 沙耶佳
アニメーション 804014 齊藤 円香
アニメーション 804301 李 蕙承
メディアデザイン 805015 千田 遥菜
メディアデザイン 805024 前田 尚太郎
室内建築 806012 川田 智絵
室内建築 806024 信貴 達也
室内建築 806048 舩橋 宗平
インダストリアルデザイン 807005 大塚 安矢
インダストリアルデザイン 807009 神村 晃世
インダストリアルデザイン 807023 田中 晴菜
テキスタイルデザイン 808005 梅澤 由佳子
テキスタイルデザイン 808015 齋藤 周子
サステナブルプロジェクト 809012 川上 陽香
サステナブルプロジェクト 809016 佐藤 美弥
サステナブルプロジェクト 809020 永田 翔子
絵画 810020 上田 裕子
絵画 810033 佐々木 耕太
絵画 810057 中山 晃子
絵画 810064 花輪 紫織
絵画 810078 森 健太郎
彫刻 811019 弘実 麻美
彫刻 811021 矢ケ崎 健太

2011年度ZOKEI賞審査委員会委員長  井原 浩子
東京造形大学 学長          諏訪 敦彦





大学院(5作品)

研究領域 学籍番号 氏名
デザイン 020502 井野 若菜
デザイン 020512 下出 翔太
美術 021503 安達 裕美佳
美術 021527 森田 舞
美術 021529 湯浅 加奈子


推薦理由

○020502 井野 若菜(デザイン研究領域)
「道がいっぱいの家」
制作者の造形力がいかんなく発揮された秀作である。テーマは故郷の風景だ。生まれ育った家とその周辺がモティーフなのだが、作者が愛するその風景は、記憶の底から呼び戻された草や木々や屋根の瓦の一つひとつから再構成され、そして壮大なタペストリーに生まれ変わった。観る者を宇宙へといざなうようなこの染色作品は、布による表現の可能性を押し広げてもいて、今後の創作活動に大きな期待を抱かせるに十分な作品である。

○020512 下出 翔太(デザイン研究領域)
「Point+Line」
制作者は、数理造形の基礎研究から要素研究をへて、具体的な機能を持つモノを導きだしている。オーソドックなデザイン展開ではあるが、こうした研究はデザイン手法の構築、および、システム化に繋がっていく。感覚的造形にとどまることなく、一貫して論理的思考を造形に置き換えて、モデルによる評価を繰り返しされたことが、質の高い製品の提案に繋がった。2年を通してぶれることなく地道な研究を続けた証として高く評価する。

○021503 安達 裕美佳(美術研究領域)
「glimpse」
「glimpse」という題名は「一瞥」「ちらりと見る」などを意味する。制作者は日常の中で目にとまった、ちょっとだけ気がかりなものをいつも首からさげているカメラで撮影している。そして写しとられた人物や動物、建物を凝視してゆく。それら世界の断片たちに向けて「ああなんて不思議なんだろう!」と心の中でつぶやき続けているに違いない。それが制作者の絵画制作行為のすべての出発点となっている。あとは写真に写し取られた世界の断片を、注意深く自分なりの独自の絵画の世界へと変容させてゆく。豊かな写真と絵画の出会いの瞬間、この世界を写しとり再創造する絵画というもう一つの写真の出現とも言えよう。絵画のみごとな脱構築、新しい絵画の可能性が発信されている。

○021527 森田 舞(美術研究領域)
「contact with reality」
制作者は、石彫の古典的な技法をマスターしたうえで、新たな表現方法を模索し高い完成度に至った。
この作品は、負の空間と実態としての量感を持つ石材により構成されている。相反する2つの要素により新たな空間表現をめざした試みは、大学院における大きな研究成果である。
のびやかで、哲学的な思考を促すこの空間表現は、高く評価できるものである。

○021529 湯浅 加奈子(美術研究領域)
「MELODRAMA」
虚と実の境界が曖昧な時代に、制作者は、装飾的で身近にあるコモノ類やアミューズメントパーク的な楽しいモノ達に、批判的な視点と享受するという対照的な要素を取り入れ、制作を始めた。
中世の絵画や宗教画をも研究し、虚の中のリアリティを掴み、「それは人間が持つ欲望や秘密の象徴的な装飾であり、ただの虚像ではなく、ある意味では人間の生命力を支えるための虚であり真実である。」という制作者独自の視点へと展開した。そこに、人間としての欲望と、祈りにすら近いリアリティを作品へと結実させたことを高く評価する。

東京造形大学大学院研究科長       諏訪 敦彦