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日経アーキテクチュアコンペ:佳作入選

本学の高橋真理奈さん(室内建築専攻領域/4年)が、第7回日経アーキテクチュアコンペ「重ね着する空間」に出品、過去最多の応募点数462点の中から、一次審査7つのタイプ別のトーナメントによる審査を勝ちぬきました。
二次審査(17点)、最終審査(11点)を経て、佳作に入選いたしました。

「Zipper的重ね着の究極の都市住宅」(PDF)
第7回 日経アーキテクチュアコンペ詳細
 ※審査結果詳細は、雑誌「日経アーキテクチュア」2010年.3月22日号に掲載されております。

◆受賞コメント◆
受賞出来てとても嬉しいです。これを糧にして、より一層頑張っていきます

◆作品コンセプト◆
このコンペに提出した作品は、都市デザインという授業の中の課題を下にして出来ています。
「都市生活者における究極の空間と生活の可能性」とは何かという課題です。

まず、授業では「都市における住宅とは何か」というところから始まります。
都市生活とは都市生活者個人では成立しません。例えば都市には大学があったり、コインランドリーがあったり、図書館があったりして、絶えず私達都市生活者は都市の中を移動しています。
都市に住んでいる人々は、住宅という空間のみでは生活が成立しないのです。
住宅は都市の何かしらを複合的に組み合わせれば代替可能な空間と言えます。
大学や図書館を使えば勉強部屋が消え、コインランドリーを使えば洗濯場が消え、インターネットカフェを使えば寝室や風呂場などが消えます。
では、そうした現代において住宅の意味とは一体何なのでしょうか。

そうしたこと踏まえた上で、住宅を再考します。
課題は「都市生活者における究極の空間」なので、私は究極の都市生活者として女性ファッション雑誌「Zipper」に登場する女の子を仮定しました。
彼女たちを分析することによって、機能のみで出来上がっている今日の住宅とは違う解答、また究極の都市生活者の住宅を考えました。

雑誌の分析を下に作成したイメージマップ

「Zipper」に登場する女の子たちはその時々によって、様々な衣装を見に纏います。
ロックテイスト、パステルカラーの服、カジュアルだったり、スポティーだったり変幻自在です。
そんな彼女達の住宅として切り替え、switchとしての住宅を提案しました。
私の提案する住宅は二重螺旋構造を取っており、その螺旋構造を抜けることによって、例えばカジュアルからスポーティーへの切り替えを行うようにします。
また、彼女たちにとってお洒落をすることこそが喜びそのものであるが故に、彼女たちは観客を求めます。
そうした事を踏まえて、この住宅には飛び出す窓が設けられています。
この窓にはそれぞれ「雑誌を読む部屋」「うたた寝する部屋」などの名称が付いており、第三者に見られる為の部屋となっています。 都市に侵入している形の窓(この場合部屋)は舞台性をより一層強めています。
逆に住宅側に引っ込んでいる窓は、そこまでが都市として捉え、舞台としての住宅の中まで貫入しています。
またその他のデザインのディテールは女の子の重ね着の表象として処理しまた。

今回私が入選した第7回日経アーキテクチュアコンペのテーマは「重ね着する空間」でした。
私の住宅は都市というpublicな空間と住宅というprivateな空間が混ざりあっており、またその住宅のデザインのディテールは女の子の重ね着の表象です。
そうした意味で私の提案した住宅は二重の意味での重ね着空間となっています。

模型写真