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長谷川教授のエジプト研究会報告

エジプト都市建築研修ツアー  2009年2月24日-3月5日  文責:長谷川章

毎年世界の建築や都市を訪れて、その魅力的な空間を体験する研修ツアーを企画しています。今年はアフリカ大陸に挑戦し、古代エジプトの遺跡を中心にエジプト文化を満喫してきました。 今年は他大学の学生3名を含めて合計23名の学生が参加しました。

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皆さんはピラミッドを知っていると思います。代表的なカイロ郊外のギザのピラミッド群は有名ですが、しかしその大きさは体験してみないと分かりません。 ルクソールの神殿など古代の遺跡は知られていますが、デザインを学ぶ学生にはそれを自分の目で確かめて自分の言葉で語る事が大切であり重要であると考えています。


作品等画像 今回の研修旅行はナイル川の中流のルクソールへまず入り、そこから車でアスワンを経て南下し、アブ・シンベル神殿を訪れました。 砂漠に昇る朝日を拝み、ナイル川に沈む夕日に染まった真っ赤な空を眺め、このナイルに育まれた古代エジプト文明を満喫する毎日でした。 そのナイル川に沿って寝台車で北上しカイロへ到着しました。ここを拠点にギザのピラミッド群やスフィンクスを訪れ、 また考古学博物館でツタンカーメンの遺品やミイラなどをつぶさに見学し、古代文明をいろいろな角度から学ぶことができました。 さらに日本への帰りにはロンドンへ立ち寄り、大英博物館に収蔵されたエジプトの貴重な遺産にも触れる事が出来ました。


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古代エジプト文明の遺跡の他に、このヌビア砂漠の人々の文化にも触れました。ヌビア人の集落を訪れて民家にも入る事ができました。またファルーカという帆船でナセル湖をクルーズしヌビアの人々とダンスも楽しみました。

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またエジプトのパピルスの紙は有名ですが、そのパピルスの紙を作る過程や、あるいはカーペットの工房も訪れ制作過程の説明を受けながら見学してきました。参加学生の中にはテキスタイルデザイン専攻の学生もおり大変興味深い体験となりました。

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現在のエジプトはイスラム化されており、エジプト文明は遺跡としてあるだけで日常生活からは察することはできません。カイロの下町では昔ながらの職人たちが狭い露地で鍋や農具を製作しているなど、近代化された首都でも伝統的な生活も息づいていました。

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短い期間でしたが、エジプトでの本物の遺跡の体験は学生たちに大きな感動を与えました。そして研修旅行に参加した学生たちは専攻や学年を超えて、その共有する感動を写真展という形で発表することとなりました。

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東京造形大学12号館1階のギャラリーにおいて2009年6月9日から6月13日まで「エジプト写真展」が有志により開催されました。そこにはまさに学生自身が自分たちの目で捉えた自分たちのエジプトの姿を見ることができました。

学生たちは研修旅行へ参加したことにより新たな世界を体験しました。しかし重要なことは受動的な感動を積極的な創造へと結びつけていくことです。 ですからこの写真展で学生たちがエジプトで得た感動をもう一度自分の中で整理して統合したことは、単なる研修旅行の発表を超えて学生各自に大きな成長をもたらしたと考えています。 それは必ず大学での研究へと生かされていくものと確信しています。

【写真展を企画した学生有志】
水口稚(室内建築専攻2年生)
野原智博(室内建築専攻3年生)
飯田萌奈(室内建築専攻3年生)
峪亜衣子(室内建築専攻3年生)
東ゆりか(室内建築専攻3年生)
北村優佳(室内建築専攻3年生)
山室 壌(室内建築専攻3年生)
高橋真理奈(室内建築専攻3年生)
榎本綾子(テキスタイルデザイン専攻3年生)
吉田和人(インダストリアルデザイン専攻3年生)
大平望美(写真専攻4年生)
藤掛友希(早稲田大学文学部2年生)