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越村教授・卒業生製作の映画が海外の新聞に掲載

本学の越村勲教授と卒業生のチームが作った、クロアチアの歴史的英雄に関するドキュメンタリー映画が、クロアチア最大の夕刊紙「ヴェチェルニイ・リスト」に紹介されました。

イメージ 製作者:
越村 勲 教授(総合教育科目)
風澤勇介(卒業生:2003年絵画専攻)
川部良太(卒業生:2005年視覚伝達・映像専攻)
風間優佑(卒業生:2003年絵画専攻)

 このドキュメンタリー映画は本学の越村教授とザグレブ(クロアチアの首都)大学歴史学科のロクサンディチ教授による共同プロジェクトの成果であり、三大国(オスマン、ハプスブルク両帝国とヴェネツィア共和国)が接する境界地域だったクロアチアの英雄物語を視聴覚的に表現したものです。
 この映像は古地図や版画などによるドキュメンタリーであると同時に、クライマックスにアニメーションを取り入れており、その意味でジャンルを越えた映像です。
 また良質の歴史的教材をめざしていると同時に、「作品」に近いような美的水準を目指した映像でもあります。
 
 以下に記事の概要を説明します。  

 

記事タイトル:
クロアチアの歴史に関する日本のドキュメンタリー映画~東京造形大学の歴史家と映像作家がクロアチアの英雄物語を近々イギリスで上映する

 

記事概要:
イメージ 東京のデザイン・美術=造形大学の越村教授(クロアチア社会文化史専攻で、クロアチア語にも堪能)を初めとするチームは、グラスゴー市公共の現代美術施設が企画するトライスター・プログラム(29th April 2008/MFA SCREENING: TRISTAR/ The Center for Contemporary ART)で「境界の英雄」と題した映像(約24分)を上映する。この映像は17世紀に三つの大国が接する境界地域だったクロアチアの英雄S・ヤンコヴィチをあつかったものである。
イメージ この映像は史料や古地図、版画、肖像画を集め、民族衣装や音楽を調べるのに二年余りをかけて準備されたドキュメンタリー映画だが、ヤンコヴィチがオスマン・トルコの軍勢によって皇帝の下に連れて行かれ、最終的にオスマン皇帝の財宝を盗んで帰ってくるという民衆詩をもとにした部分=クライマックスは人形アニメーション(約4分)である。アニメーションは人々の内面世界を再現するのに適したメディアであると越村教授は言う。
イメージ またこの映像は、第一に、文科系や芸術系の学生をターゲットにした歴史の教材として、日本であまり知られていない東欧の歴史を、少しでも「リアルに」感じ、学んでもらうことを目的にしている。因みに日本では戦争や対立の側面だけが見せられてきたが、この映像では現地の人々が国境を越えて分かりあい、尊敬しあって暮らしていたという側面も強調されている。勿論史実にもとづいた学問的な内容であり、オーストリアやイギリス、アメリカのクロアチア史研究者にもDVDを送って、それぞれの授業に使ってもらう予定でいるそうだ。
イメージ 映像の制作には、造形大学絵画卒業の風澤勇介氏(のちプラハでJ・バルタに師事)と映画卒業の川部良太氏がアニメーションと映像を監督し、絵画卒業の風間優佑氏が美術監督をつとめた。ストヤンの物語だけでなく今後さらに二つの英雄物語を作る予定で、三題そろった時点でまた新たに、一つの「作品」として編集し直したいとも考えているようだ。

以上