2016年度 ZOKEI賞について
2016年度ZOKEI賞受賞者は、以下のとおり決定いたしました。
受賞者には、別途通知いたします。
学部(28作品)
専攻 | 学籍番号 | 氏名 |
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グラフィックデザイン | 11301015 | 太田 萌子 |
グラフィックデザイン | 11301053 | 鈴木 麻莉菜 |
グラフィックデザイン | 11301078 | 野島 渓 |
グラフィックデザイン | 11301091 | 藤原 いつき |
グラフィックデザイン | 11301093 | 三浦 優大 |
写真 | 11302010 | 鈴木 奈津稀 |
写真 | 11302012 | 永田 大祐 |
映画 | 11303017 | 小西 楓 |
アニメーション | 11304001 | 青木 佑理華 |
アニメーション | 11304015 | 倉富 路加 |
アニメーション | 11304036 | 星 夢乃 |
メディアデザイン | 11305013 | 佐久間 渓矢 |
メディアデザイン | 11305028 | 蓑輪 龍弦 |
室内建築 | 11306010 | 田中 夏鈴 |
室内建築 | 11306020 | 横山 天香 |
インダストリアルデザイン | 11307023 | 瀧澤 光 |
インダストリアルデザイン | 11307026 | 田村 開 |
インダストリアルデザイン | 11307041 | 山口 恒樹 |
テキスタイルデザイン | 11308005 | 小野 栞 |
テキスタイルデザイン | 11308023 | 西 沙那子 |
テキスタイルデザイン | 208025 | 宮島 希望 |
絵画 | 11321007 | 石部 汐里 |
絵画 | 11321009 | 市橋 晴菜 |
絵画 | 11321020 | 尾﨑 藍 |
絵画 | 11321042 | 品川 はるな |
絵画 | 11321049 | 田倉 百合奈 |
彫刻 | 11322016 | 中山 竜輔 |
彫刻 | 222008 | 大川 栄里奈 |
2017年2月1日
東京造形大学 学長 有吉 徹
2016年度ZOKEI賞審査委員会委員長 井原 浩子
大学院(7作品)
修士論文・修士制作(7作品)
研究領域 | 学籍番号 | 氏名 |
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デザイン | 21551008 | 曲 芸 |
デザイン | 21551012 | 齊藤 礼 |
デザイン | 21551013 | 柴垣 瑛才 |
デザイン | 21551029 | 方 ユェン |
デザイン | 21551031 | 山川 さとみ |
美術 | 21552007 | 菊池 遼 |
美術 | 21552013 | 二井矢 春菜 |
推薦理由
21551008 曲 芸(デザイン研究領域)
「ナンセンスの日常的なイラストレーション表現」 指導教員 永井 裕明
ナンセンスという正解のないテーマに取り組み強い信念を持って二年間様々な模索をしながら貪欲に作品を作り続けてきた。
絵本の制作、ペインティング、コラージュ、古い本への描き込み等々。ゴールの見えないマラソンのような状態と言ったら伝わるだろうか。スタイルにとらわれず、本質の部分を掘り下げ様々な手法を試し定着してきた。そして銅版画に出会い、洗練され且つ冷静に自分の作品に対峙するようになり、本質に迫ることが出来たのではないかと思う。中でも作品集“ACROBAT by KYOKUGEI”は、二年間のゴールとして相応しいものであると確信する。
21551012 齊藤 礼(デザイン研究領域)
「創造的想像力を促すための造形教育の研究」 指導教員 春日 明夫
創造的想像力を促す造形教育の研究(子どもの成長を支援するためのワークショップについて)
文字数22万字、287ページという構成は博士論文に匹敵するほどの大作であり、素晴らしい内容である。主題である「創造的想像力を促す造形教育の研究」は、造形教育の意義や有効性を主張するための根源的で普遍的な課題でもある。その課題を考察するために造形ワークショップという手立てを核とした研究である。何よりもこのテーマを追求するために、公立小学校の図画工作科非常勤講師も勤め、社会教育と学校教育の両面の実践と理論から主題の追及に迫った点に論旨の信憑性が高い。
21551013 柴垣 瑛才(デザイン研究領域)
「形の生成とデザイン行為の記述」 指導教員 森田 敏昭
学部から続けてきたアルゴリズムの研究を駆使し、具体的な水面の波紋を作りだすプログラムを構築された。こうした水面のデーターをもとに、3Dプリンターで出力しプレス金型の代用として樹脂型によるプレスを研究された。世界でまだ実験段階の技術を製造メーカーと一緒になって開発を進め、プレスのノウハウを習得された。こうした研究は大いに評価できるとともに、今後大きな展開となることでしょう。大いにその将来性を感じる。
21551029 方 ユェン(デザイン研究領域)
「JAPANESE PAPER/WASHI」 指導教員 長井健太郎
和紙の魅力を伝えると共に、書籍の造本設計における可能性を示した本研究は、電子書籍が普及する現代において書籍そのものの魅力を再発見することに繋がる。研究成果物としての書籍は、多数のサンプルをもとに工夫のある造本設計がなされており、装丁デザインとしても優れている。また、単に書籍のデザインのみを行うのではなく、和紙についての地道な調査・取材を行い、その魅力を国内外に伝える為の執筆・編集を行った点も高く評価したい。
21551031 山川 さとみ(デザイン研究領域)
「記憶の追想」 指導教員 須藤 玲子
山川の作品は、人はなぜ多くのものを抱えて生きているのだろう、と問いかけているように思える。叔母の死が、亡き人への「鎮魂の布」、「回想の布」へと突き動かしたようだ。ものをつくることが、生と死への問いかけ、特に布と人との関わりに強く向かっており、見る者に強い衝撃と共感を与えている。作品を作る過程で、亡き人との関係を反芻し、時間を追体験する個人的な過程が、高度な芸術表現となる可能性をも示している。
21552007 菊池 遼(美術研究領域)
「idea #4(Chauvet)」 指導教員 母袋 俊也
「祝福論」とその実現のための絵画、思想の研究と実制作
菊池遼の上述テーマは理論と制作の二つの軸があった。展示では天井を設営。3作の絵画はライティングによって薄暗くなった壁面で、青暗い画面からコンスタレーションを浮かび上がらせる。だがそれは星座ではなく、「文節」(=輪郭線を描く)と「概念化」との相関に着目し、人類最古の絵画「シェーベの洞窟画」をモデルに菊池が採用した線なのである。複数パネル上で連続と不連続を示す線はその分節の恣意性をも顕現化させ、精緻な塗装技法と展示設営によって独自な絵画思想は実体を得たといえる。
21552013 二井矢 春菜(美術研究領域)
「Vacant land −空閑地−」 指導教員 生嶋 順理
植物の姿の移り変わりを背景に鳥たちが四季を巡りながら一方向に飛び去っていく。シルクスクリーンによる肉厚なマチエールを持ちながら大らかな形と色彩で描いた四つの画面は、生きているものの姿を素直に表現して美しい。
作者は、豊かさを作品と見るものの間に生まれることと信じ日々の制作を重ねている。この誠実に作り込まれた画面は、観るものを優しく引き込みながら、美術本来の価値を問いかけてくる優れた作品なのである。
2017年2月1日
東京造形大学 学長 有吉 徹
東京造形大学大学院研究科長 沢 良子