造形に関する理論科目
造形学
旧石器時代以来、人類が携わってきた「美術」と、人類史とともにある「デザイン」、特に19世紀における急速な工業化を背景に興隆して来た近代デザインとを「造形」という概念で統合的に把握する。また、それらを人間の精神活動の中に正しく位置付ける視点を理論的に確立し、造形における表現や行為の結果の意味及び様式の変遷を歴史的に考察する。
造形学研究
「造形学」で原論的、原理的に確立された視点を、「造形学研究」では美術とデザインの両分野において具体的に検証する。また、この様な具体的な研究によって、造形学のあり方と内容が反省され、さらに造形という活動の可能性と将来とが展望されることになる。
造形史
人類史における物作りの歴史を「造形」の視点から回顧するが、特に旧石器時代に始まる美術と19世紀に始まる近代デザインの歴史と特性とを解明の対象とする。ここでは美術作品や建築、製品、つまり造形的産物を社会的コンテクストに置き、その様式や意味、さらには機能をも、それらを産み出した社会や社会を形成させた意識との連関から考察するという、社会的営為としての造形を意識した歴史が研究される。
造形史研究
これまで美術やデザインの領域で、ある時代に特有な様式の特徴や機能が説明されてきた造形史を、より一般的な人間の精神活動との関連で捉え直し、その表現の可能性を理論的に追求する。
造形特講
造形という概念の認識を深め、社会との関係を考察する目的で、グラフィック、写真、映画、アニメーション、メディア、室内建築、インダストリアル、テキスタイル、サステナブル等のデザインの領域において多様な側面で展開される造形活動の紹介を通して、デザインにおける「造形の方法論」や「造形の思想」あるいは製品開発の実際等を学ぶ。各講義は毎回異なった領域で活躍するデザイナーやジャーナリスト、評論家、企業の製品開発担当者等を招聘し、作品や事例紹介、講演者との議論を交えてデザイン活動の意義や今後の方向性、デザイン表現の可能性を探求する。
造形教育研究 I
現代における複雑な社会状況や教育環境、教育価値観の多様化や分極化を受けて造形美術教育の基礎理論とその実践的手法の研究を理論的に多角度から分析することを課題とし、新たな造形美術教育の意義・目標・内容・方法・評価等について考察する。
造形教育研究II
我が国の普通教育と社会教育の、それぞれにおける造形美術教育の特質を探りながら、今日における造形教育の問題点と課題を明らかにしつつ、今後の役割と可能性について考察する。
造形プロジェクト科目
造形プロジェクトA
<都市と環境>を基本テーマとして、造形という営為を、人間の社会生活に顕在する実際的な問題に結び付け、「造形の社会性」について考察・研究する。都市という側面からは、大都市が抱えているさまざまな問題を「公」、「私」、「共」という3つの空間的視点から捉え、社会資本としての造形の役割について考察する。また環境という側面からは、地域活性化のための文化資源の発掘や地域振興、造形という営為と自然環境との関係など、今日の環境全般に関わる造形の問題について考察する。
造形プロジェクトB
<産業と開発>を基本テーマとして、造形という営為を、産業界や地域社会における今日的課題に結び付け、「造形の社会的実践」について考察・研究する。「公・産・民」と「学」との連携・交流の強化を図り、産業界や地域社会との受託・共同研究を通し、製品開発や地域社会の未来像についての調査・研究・提案などを行う。
造形プロジェクトC
<人間と造形>を基本テーマとして、造形という営為を、広く人類が抱える様々な課題に結び付け、造形と人間との関係や現象についての調査・研究・分析を通した、「潜在する造形のテーマ」の発見を目的とする。
領域専門科目 デザイン研究領域
デザイン総合研究 I・II
学生個々が設定した研究テーマと研究計画について、研究指導教員による個別指導を中心に複数教員による総合的な視点からの検証を行いながら、修士制作又は修士論文へ向けての統括的な指導を行っていく。また、各学年および学期ごとに各自の研究活動の意義や目的を客観的に分析して、研究成果のまとめを行い、様々な視点からの評価の後、今後の方向性について展望を示すことが求められる。
デザイン制作研究 I
デザイン領域における個々の専門性に応じた研究過程において、より高度な知識や技術、実務能力の習得と実践的展開を計り、各人が設定するテーマにそって制作研究を行っていく。また、ここでの成果は報告・発表という評価と批評の場でさまざまな質問に応答することが求められる。
デザイン制作研究II
<人間と造形>を基本テーマとして、造形という営為を、広く人類が抱える様々な課題に結び付け、造形と人間との関係や現象についての調査・研究・分析を通した、「潜在する造形のテーマ」の発見を目的とする。
領域専門科目 美術研究領域
美術総合研究 I・II
学生個々が設定した研究テーマと研究計画について、研究指導教員による個別指導を中心に、総合的な視点からの検証を行い、修士制作又は修士論文へ向けての統括的な指導を行っていく。あわせて学生個々が自立した表現者として活動していく上での指針と、そのために必要な具体的技術・方法についての指導を行い、これを通して表現の社会性についての認識を深め、今日の時代と社会の課題を明確に認識した表現者の育成を目指した教育研究を行う。
美術制作研究 I
美術領域における個々の専門性に応じた、制作・表現能力の高度化と深化を目的とした制作研究を行う。学生が設定した研究テーマに対応した教員による個別指導を中心に、表現素材や表現方法に関する高度な研鑽を推し進める。あわせて複数教員によるグループ指導により、多様化する今日の時代における造形表現について、多角的な視点からの認識を深め、豊かな発想能力の育成を目指す。
美術制作研究 II
美術制作研究Iの成果に基づき、学生が設定した研究テーマに対応した教員による個別指導を中心に、それぞれの専門性に応じた制作・表現能力のさらなる高度化と深化を目的とした制作研究を行う。同時に複数教員によるグループ指導を通した、多角的な考察をもさらに深め、今日の造形領域における課題意識を明確に持った、自立した表現者としての基盤の構築を目指す。