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繊維は糸を生み、糸から布が生まれ、私たちは昔も今も布に包まれて暮らします。
心地よい肌触り、優しい色彩…テキスタイルは不変の生活を育みます。同時に、触ったことのない質感、目にしたことのない発色…進化するテキスタイルが人々の感性に変化を促します。触覚を研ぎ澄まし、視覚を磨き上げ、そして思考を深める…進化し続ける広大な世界を創造するすべてのデザイン活動が、テキスタイルデザインです。
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テキスタイルデザインは近代工業としての繊維産業が求めたデザイン領域です。つまり、繊維の世界は「衣食住」の一端を担う長い歴史をもっていますが、近代の産業が作り手と使い手の間を拡大したことによって、その掛け橋として「テキスタイルデザイン」という役割が必要となったのです。また、近代以降、繊維素材の開発や技術の進歩が繊維製品の裾野を広げ、一方、産業の世界と並んで繊維素材は創作活動の対象としての広がりを見せてきました。したがって一本の糸づくりに始まるこの世界は、衣服やインテリアの一部として、あるいは創造的な作品として、生活に彩りや刺激を与えながらその対象領域を不断に押し広げてきたといえます。
本学では、創作的な要素を積極的に取り入れることで、テキスタイルデザインの広範な領域を包み込んだ教育研究を実践してきました。そこでは、「染」める、「織」るという二つの最も基本的な視座と技術を軸に据え、そこからより広い視野を獲得すること、飛躍的な新しい世界を模索することを目指しています。そして素材の多様化や人々の生活の変化を見据え、「視覚」と「触覚」を統合した新たな世界の可能性を追求します。
基礎的な技術や考え方を学んだ後、下記の「研究指標」いずれかを選択して、より専門的な科目を学んでいきます。
布は衣服やインテリアの素材として生活の中に彩りを与えてきました。その布に色を施し、模様を表すのが染色です。したがって、テキスタイルデザインを研究する指標として「染」は大切な要素の一つとなります。
豊かな彩りを求めて「染」は長い歴史を築いてきましたが、今日ほど豊かな色彩を手にしたことはなかったといえます。この無限の可能性の中から現在の彩りを発見し、生活の中に届ける役割をテキスタイルデザインが担っています。ここでは、その基本を「染」に学びながら、同時に新たな役割と新たな生活の彩りの可能性を学習します。
繊維が糸になり、糸を組み合わせて布を作る…その基本が織ることです。「織」は、人が布を創造して以来の長い歴史と共にあり、しかもその基本的な構造は今も変わることがありません。
テキスタイルデザインを研究する指標の一つとして「織」を学ぶ背景がここにあります。また、繊維素材は一本の糸が平面や立体へと変貌する無限の可能性をもっていて、それが今日の創作的なファブリックやファイバーアートの世界を押し広げてきました。ここでは、基本を「織」に学びながら、あわせて繊維の世界の新たな可能性を学習します。
テキスタイルデザインの基礎として、まず染めることと織ることの原理を理解することから始めます。染料の扱い方と染料の特性を知った上で、模様を染め上げる基本原理を学び、糸が「組織」されて布になる基本原理を、織機の構造を理解しながら学習します。
1年次の学習内容が発展的に継続されながら研究指標科目がスタートします。染料の特性の理解は、より進化した模様染の方法と模様の反復についての学習へ継続され、織機の構造の理解は、より高度な織の組織と複雑な模様を織り出す方法へと発展します。また、歴史や立体構造など、テキスタイルデザインの関連諸分野の学習が始まります。
2年次からの研究指標科目を3年次でさらにステップアップすることを目指します。「染」「織」の研究指標を、技術のスキルアップとそれの裏付けによってそれぞれの内容をより深く掘り下げることになります。また、関連諸分野の学習に裏付けられて、テキスタイルデザインの世界におけるそれぞれの研究指標の方向性を個々に見定めることにもなります。
4年次の研究指標科目は、自分が自分に課題を課すという内容になります。つまり、「染」「織」を通して3年次までに学んだ技術や知識をベースに、テキスタイルデザインを総合的に見渡した上で自分自身のテーマを発見し、研究を行うのです。3年次までの学習が研究の遂行を裏付け、また個々の関心のあり方が大切な要素となります。
卒業研究は、個々のアプローチにしたがって調査や研究あるいは制作を実践します。テキスタイルデザインの世界へ向けて、それぞれがどのようなアプローチを切り開くことができるのか、それはそれまでに学習してきたことに対する関心の向け方や、あるいはそれぞれの個性によって多様であるはずです。学生同士は自由に主張し、しかし個々は互いに触発し合いながらそれぞれのテーマをさらに深めていく、よい機会となり得ます。
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テキスタイルデザイナー / カラーコーディネーター / ファイバーアーティスト / アパレルデザイナー / 染織作家 / テキスタイルコーディネーター / 工芸作家 / 服地・インテリアファブリックなどの企画部門のディレクター 他
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