TOKYO ZOKEI UNIVERSITYだれかで終わるな。

TOKYO ZOKEI UNIVERSITY だれかで終わるな。 東京造形大学 TOKYO ZOKEI UNIVERSITY だれかで終わるな。 TOKYO ZOKEI UNIVERSITY だれかで終わるな。

桑澤洋子の理念を守り、
これからの50年、100年後も
長く愛される説得力のある形へ。

東京造形大学は50周年を過ぎ、新たな時代へと突き進んでいくためにロゴを一新しました。開発に関わったのは、客員教授の葛西薫氏、書体デザイナーの小林章氏、東京造形大学教員の福田秀之氏、髙田唯氏。単に目新しいものを作るのではなく、これまでに築き上げたものと新しいものとを融合させて東京造形大学らしいイメージを追求しました。新しいデザインに込めた想いをご紹介します。

バウハウス時代の書体
Erbar(エアバー)からヒントを得た
“TOKYO ZOKEI”
オリジナルフォントの開発。

1966年に桑澤洋子により設立された東京造形大学は、造形芸術の総合学校「バウハウス」の影響を強く受けています。機能性や合理性を追求したデザインの思想を大切にした「バウハウス」時代に作られたErbar(エアバー)という書体があるのをご存知でしょうか。今回一新したロゴはこの書体にヒントを得て制作されました。

Erbar

Tokyo Zokei University
ロゴタイプ案について

東京造形大の英文ロゴタイプ案では、Erbar-Groteskを参考に単語の最初の文字 TZU を設計し、その後の検証の中からスモールキャップ(小文字と同じ高さで作られた大文字)の案を採用。Yは、特殊な字形を持つエクストラ・ガルニトゥーアの字形を参考にし、英文ロゴタイプの中で2回出てくることで程よく個性を主張しました。また、シンボルマークは書体に合わせ、程よく太らせることでバランスをとっています。

アートディレクション監修・客員教授

葛西 薫 Kaoru KASAI

東京造形大学、形を造る大学…なんという良い名だろう。学び舎に集うということは、同じ時代に同じ場で「造形」の何たるかを探り、知る喜びと伝える喜びを分かち合うということ。新ロゴタイプは和欧が並列に配されてます。これからは「造形」こそが世界を結ぶ(Zokeiというタイプフェイス、とてもヒューマンでしょ!)。ここに通い学んだことが生涯の誇りとなり、視野の広い、人と人を結ぶ人になってくれるよう願いを込めて。

葛西 薫

葛西 薫

1949年札幌市生まれ。アートディレクター。1973年(株)サン・アド入社、現在同社顧問。サントリーウーロン茶(1982~2010)、ユナイテッドアローズ(1997~)、虎屋(2002~)の広告制作およびアートディレクションのほか、CIサイン計画、映画・演劇の宣伝制作、装丁など活動は多岐。東京ADCグランプリ、毎日デザイン賞、講談社出版文化賞ブックデザイン賞など受賞。著書に『図録 葛西薫1968』(ADP、2010)がある。

書体デザイン担当

小林 章 Akira KOBAYASHI

2018年秋にこのお話をいただいて、最初の打ち合わせで「Erbar-Groteskの雰囲気の書体で」と言われたときは、偶然が重なって良い意味で驚きました。日本で葛西さんと高田さんのお二方がこのあまり知られていない書体に熱い視線を注いでいた時、ドイツにいる私は、フランクフルトのブックメッセでたまたま立ち寄った古書店のブースにいて、まさにそのErbar活字で刷られた印刷物をじっくり眺めていたんです。それは1920年代後半からフランクフルト市で進められていた新興住宅開発プロジェクトのための定期刊行物『Das neue Frankfurt』で、誌面のほぼ全部がErbarで組まれていて当時のバウハウス理念に影響された独特の空気に満ちていました。東京造形大学にとって節目となる時期に日本とドイツで同時に注目された書体の発する力、そして私たちが文字に封じ込めた想いが、今回のロゴの基盤になりました。機能と個性とがバランスよく配置されたこのロゴが学生や教職員の皆さんに親しまれ、長く使われることを願っています。

小林 章

小林 章

ドイツ・モノタイプ社タイプディレクター。欧文書体の国際コンペティションで2度のグランプリを獲得して 2001 年よりドイツ在住。有名な書体デザイナーであるヘルマン・ツァップ氏やアドリアン・フルティガー氏との共同での書体開発のほか、モノタイプ日本デザインチームが開発して2017年に発表された同社初の日本語書体「たづがね角ゴシック」のディレクションを担当した。欧米、アジアを中心に講演やワークショップを行うほか、世界的なコンテストの審査員も務める。­