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留学生レポート(宮地ゆかり)

宮地ゆかり

領 域 : サステナブルプロジェクト
留学先 : イギリス 英国西地区大学
期 間 : 2010年2月8日~6月18日
担当教授 : Jez Hattosh-Nemeth
研究テーマ : 日本人の視点から、イギリスという他国での生活環境で得た発見をモノ作りを通して発表し、またその反応を見る。


研究概要

■2月8日~12日

留学生のみに向けたオリエンテーションが最初の1週間ありました。
そこではブリストルの街の説明(店、病院、公共施設等)、大学の設備、使用方法、校内見学、学部説明などがありました。学部説明の後、自分の希望するコースを申請する学生も多かったです。
私はグラフィックデザインに希望を出していたのですが、その中でも3つのコースを選べました。各コースの先生から説明がありました。
校内だけでなく、ブリストルの街にある公園や美術館を皆で歩いて廻る日もありました。

■2月15日~6月10日

選んだグラフィックデザインのImagine&Narativeのコースで授業が始まりました。基本的に、木曜の10am-4pmのみの授業で、午前中に教授や外部講師によるグラフィックデザインの講義があり、午後は課題を中心にした実技授業でした。

□講義

講義では実際にデザイナーとして働いている人の講演や、紙会社の人による紙の紹介等がありました。教授の講義ではデザイナーの名前を出して、作品を見たり、実技に繋がるような作品やアーティストの紹介がありました。

□実技

イースター休暇前までは5つの練習課題でした。ほとんどの授業が、授業外で課題を仕上げてきて、授業時間にはお互いにスケッチブックや作品を見せ合い、公表する授業でした。特にモノ作りの過程(資料集め、考え方等)を重視されました。クラスメイトはラフスケッチやメモ書きではなく、資料の写真を貼ったりして人に見せる事を考えた上でのスケッチブックを作っていました。
〈課題内容〉
1) Task1:1つの物語を考え、それを基にモノクロ写真を10枚撮る。クラスで交換し合い、クラスメイトの撮った写真を基に物語を作り、コラージュのようなものを作り、物語を表現する。
2) Task2:1本の映画から3つのシーン切り取り、映画の物語を表現する。
3) Task3:壁に写真を張り、そこからくるイメージで新しい写真やイラストを貼って行く。(数週間に渡りクラス全員で製作しました。)
4) Weston-Super-Mare:海沿いの街Weston-Super-Mareに郊外授業で行き、出された5つのテーマから2つを選び、物語を作り、写真・映像・音などあらゆる収集器具で物語のイメージを厚め、最終的に本にする。
5) Shippingforecast:ラジオから、ある1日の海域の天気予報を聞き、物語を考え、ヴィジュアルとして表す。
6) イースター休暇(3月29日~4月18日)以降は、「Forward/Rewind」または「Disconnect/Join」のどちらかのテーマを選び、毎週の先生と1対1の面接で課題を進めていくものでした。プレゼンテーションが2回ありました。

■その他

コースの授業の他、毎日のようにワークショップが開かれており、取得したい技術に関しては自分から学べるようになっていました。また、週1で留学生に対して英語の授業もありました。


研究成果

1) Task1

ある物語で撮られた10枚の写真(どんな物語なのかは伝えられません。)に新しい物語を作り、表現するこの課題では同じ作品でも十品十色の表現があることを学びました。また、ただ写真を使うだけでなく、縮小や拡大をしたり、一部を切り抜いたりと、自分の作った物語をいかに上手くフォーカスして見せるかを学びました。

2) Task2

miyachi01
この課題では最低限の表現で大きなストーリーを伝える練習課題だったと思います。実際2時間の映画をたった3つのシーンで表現するために切り抜く作業は簡単なものではありませんでした。余分なものを取り除き、シンプルに表現することを学べたと思います。

(図) Task2:映画” Breakfast at Tiffany’s”

3) Task3

他の人の写真やイラストから新しいイメージを生み出し、またその新しいイメージから更に新しいものが生まれるというモノの発想の連鎖をクラス全体で体感できたこの課題はとても面白かったです。物語のあるグラフィックがテーマのこのコースらしい課題であり、予想外に物語が進展していくワクワク感がこの課題にはありました。

4) Weston-Super-Mare

miyachi02その日に出されたテーマですぐに物語を作り、街という中から場面を切り抜く作業は日常の中にもモノ作りに繋がる要素・機会がたくさんあることを学びました。

(図) Weston-super-mareの課題から。

5) Shippingforecast

miyachi03くじ引きのように決まった海域はVikingで、決められた日付3月2日の天気は”North-westerly 6 to gale 8 but north-easterly 4-5 at first in East Squally wintery showers, moderate or good.”でした。「表現をできるだけシンプルに」という指示をよく受けました。天気予報という数字の入った情報から物語を作り、作品として表現することは難しかったです。クラスメイトの作品の中に、観測器のようなオブジェを作ったものがありました。上手く考えられていて、とても面白いと思いました。この課題では他の人の作品を見て、影響を受け、良い部分の影響をもらえました。

(図) Shippingfarecastより

6)”Lost in Traslation”

今までの課題の反省点を顧み、製作できました。私は「Disconnect/Join」を選びました。日本語でプリクラ=プリントクラブなど言葉の省略や、英語だとSmake(煙)+Fog(霧)=Smogや、Breakfast(朝食)+Lunch(昼食)=Blunch等があります。そういった言葉遊びのようなところからから、研究テーマを「言葉の切断と結合」にしました。
最初は単語自体の一部を切り取り、結合した「Black+White=Bite」のような式を作り、そこから生まれる物語性をビジュアル化しようとしました。(Black+White=Biteの場合、黒と白のチューブが噛み合っている等)
そこからもう視点を変え、より母国語が英語ではない私ならではのモノにしようと思い、『誤解による言葉の意味の切断と、新しい意味への結合』を本でまとめることにしました。内容は、物語は1日で展開していくもので、21個の小さな英語の誤解(結合と切断)をまとめたモノになります。この結合と切断は、英語を母国語としている人にはなかなか無い感覚であり、クラスメイトや先生・友達がとても面白がってくれました。
(課題の簡単な詳細を載せたブログ → http://ameblo.jp/yukari-miyachi/
この課題では、資料集めからスケッチブック作り、提案までの考えが自分の中でとても明白になっており、良い評価を受けることがきました。また、自分自信も自分の研究テーマに沿った課題になり、じっくりと考えることができたことは良かったです。


留学先指導教員による指導内容

2人の先生がImagine&Narativeのコースを教えていました。前期の午前中は先生からアーティストや作品の紹介、考え方やモチベーションをあげるような講義がたくさんありました。午後は全員の作品を見合い、先生だけでなくクラスメイトからも感想やアドバイスを言い合えるような振りをしてくれました。イースター休暇後の毎週ある面接では2人の先生からアドバイスをいただけるように組まれていて、課題に対して上手く制作できたと思います。
授業全体を通して、わらない事があれば先生にメールし、質問できる環境があり、とても助かりました。また、BlackboardというWeb上のサイトがあり、自分のページに行くと課題の内容説明やワークショップの紹介など様々な情報を知る事ができました。


留学中に、特に印象に残った点および反省点

私は2月8日から始まるUWE(=University of the West of England)でしたが、1月3日にブリストルに行き、UWEが始まる前に5週間語学学校に通いました。5週間でブリストルの生活や英語に慣れ、UWEでの大学生活を良い形でスタートすることができたと思います。帰国後の就職活動も頭に考え、3年の後期から1年間休学するという形を取ったので、UWE通学の前後含め、留学期間に余裕をもって留学生活を送る事ができこともとても良かったです。

他の人の作品を観ることが自分が想像していた以上に刺激的であり、私にとってとても良い影響になりました。学期終わりに校内展示があり、他のコースの作品をたくさん観る機会があったことも印象的でした。

語学学校とUWEを通して、本当に世界中の友達がたくさんでき、毎日交流できたことは日本ではできない経験であり、とても良かったと思います。留学期間後に友達の国を訪ねてまわったり、facebookやSkypeを通して、今でも関係が続いています。

反省点としては、日常会話はできても、”ネイティブとディスカッションをする”となるとまだまだ自分の英語力の未熟さを強く感じました。また、与えられた授業だけでなく、もう少し積極的にワークショップなどに参加できていればと、今となっては思います。

イギリス生活6ヶ月を通して、積極的に人と交流することを意識してきました。
文化や新しい考えに触れ発見すること、それが貴重な経験であり、とても面白く、今後自分の財産になっていくであろうとわかっていたからです。
今回交換留学をいう機会を与えてくださったことに感謝します。ありがとうございました。

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(左)Clifton Suspension Bridge (右)Bristol出身のアーティストBanksy

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(左)最後の授業風景(校内の芝生の上) (右)学食