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教員プロフィール・教育研究業績

顔写真

窪田 美穂子 
クボタ ミホコ / KUBOTA Mihoko

職位:教授
担当専攻領域/科目群:人間形成科目、大学院


  • プロフィール
  • 経歴詳細
  • 教育活動
  • 職務上の実績
  • 研究活動

研究分野

英語学、心理言語学、言語習得
English linguistics, psycholinguistics, language acquisition


連絡先


E-mail1: kubota@zokei.ac.jp


略歴

福井県出身 
津田塾大学学芸学部英文学科卒業 
同大学大学院文学研究科英文学専攻(博士前期課程)修了(英文学修士、専門:英語学)
米国テキサス工科大学(Texas Tech University) 大学院言語学科修了(文学修士)
津田塾大学大学院文学研究科英文学専攻(博士後期課程)単位取得満期退学(専門:英語学)


学歴

1989年 3月津田塾大学学芸学部英文学科卒業 (文学士)
1991年 3月津田塾大学大学院文学研究科英文学専攻(博士前期課程)修了 (英文学修士(英語学))
1993年 8月米国テキサス工科大学(Texas Tech University)大学院言語学科修了 (文学修士(Master of Arts))
1995年 3月津田塾大学大学院文学研究科英文学専攻(博士後期課程)博士課程単位取得満期退学


職歴

1991年 9月 ~ 1993年 5月北米大学教育交流委員会(EEP)第4期派遣生 米国テキサス工科大学 初・中級日本語非常勤講師大学院生(Teaching assistant)
1993年 11月 ~ 1995年 3月情報処理振興事業協会(IPA)計算機用日本語名詞辞書作成 臨時ワーキンググループ
1994年 4月 ~ 1995年 3月津田塾大学芸学部ランゲージラボラトリー演習助手
1994年 4月 ~ 1995年 3月白梅学園短期大学教養学科 非常勤講師
1995年 4月 ~ 2000年 3月東北福祉大学社会福祉学部社会福祉学科 専任講師
1996年 4月 ~ 1999年 3月東北大学 全学共通科目 非常勤講師
2000年 4月 ~ 2007年 3月東北福祉大学総合福祉学部社会福祉学科 助教授
2007年 4月 ~ 2014年 3月東北福祉大学総合福祉学部社会福祉学科 准教授
2014年 4月 ~ 2017年 3月東京造形大学 准教授
2017年 4月東京造形大学 教授 (現在に至る)


学会及び社会における活動等

1989年 9月津田塾大学言語文化研究所 (現在に至る)
1994年 6月東京言語学会(TACL) (現在に至る)
1995年 7月日本言語学会 (現在に至る)
1996年 5月日本英語学会 (現在に至る)
1997年 6月言語社会科学会(JSLS) (2012- 運営委員) (現在に至る)
1997年 6月日本英文学会 (現在に至る)
2001年 10月日本機能言語学会 (現在に至る)
2001年 11月日本語用論学会 (現在に至る)
2002年 10月社会言語科学会 (現在に至る)
2002年 10月日本認知言語学会 (現在に至る)


賞罰

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教育方法の実践例

英語教育 
/ 1995年 4月~

英語の授業(LL教室やCALL教室を含む)でのオーディオ・ビデオ機材活用による会話・作文・聞き取り・読解・ディクテーション・公的試験準備(英検/TOEIC/TOEFL)の指導、国際交流の支援など



作成した教科書、教材

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教育上の能力に関する評価(自己評価)

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実務経験を有する者についての特記事項

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その他

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資格、免許

・教員免許(英語)1991年 3月中学校教諭専修免許状 高等学校教諭専修免許状
・教員免許(英語)1989年 3月中学校教諭一級普通免許状 高等学校教諭二級普通免許状


特許等

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実務経験を有する者についての特記事項

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その他

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◆著書

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◆学術論文

Linguistic and Acoustic Analysis of Infant-Directed Speech of Japanese University Students 
/ 2013年 3月

(著者:庭野賀津子(主)、窪田美穂子、田邊素子、佐藤洋介、坪川宏)
育児経験のない大人の乳児への語りかけの特徴をみるため、乳児の啼泣時と非啼泣時の映像のみを見ている大学生の語りかけに近赤外線分光法(脳内血流)分析・音響分析・発話分析を行った。私(窪田)は被験者の言語を書き起こして語彙数や語彙タイプによる言語分析を担当した。結果、啼泣時の方が被験者の音声ピッチと発話全体の異なり語数や動詞と疑問語の数の頻度が有意に上昇した。これら対乳児発話の特徴は育児経験者は乳児のいかなる状況でも示すが、育児未経験者は乳児の啼泣表情に顕著に示すが非啼泣時では殆ど示さない。本研究は、育児未経験者に保育実践指導などで、乳児のどの状況にも対応する対乳児発話を産出するよう指導することの必要性を示唆している。

【発行所/発表場所】
 感性福祉研究所年報(東北福祉大学感性福祉研究所)(51-58頁)

A Case Study of the Acquisition of the Negative Expression ”X To Chigau” 
/ 2011年 7月

幼児がチガウをどう習得するかを6ヶ月から3歳後期まで分析した。命題の正誤判定の意味で幼児の発話にナイ形「Xジャ(ヤ)ナイ」の例はなかった。一方チガウは「Xチガウ(チャウ)」でXが名詞の発話が2才前期から3歳後期まで最も多く、後に「Xワ/ガ チガウ」で格助詞挿入が増えた。一方、助詞トを加えた「Xトチガウ(チャウ)」は2才中期からあるが非常に少なくXはほぼ全て名詞であった。これはトを必須としない関西方言の影響や音声上の不明瞭さが影響しているとみられる。動詞と形容詞のナイ語尾変化が進む一方「Xチガウ/チャウ」に動詞や形容詞や相手発話全体を入れる例も散見された。これは幼児の発話を訂正している父親の発話にも多く、幼児のチガウは「ノッタチガウ」のようにまだ相手発話の否定をナイ屈折による統語操作(ノッテナイ)ではなく談話単位で行っているためと結論づけた。
【発行所/発表場所】
 「ことばの事実を見つめて -言語研究の理論と実践-」佐藤響子・井川壽子・鈴木芳枝・古谷孝子・松谷明美・都田青子・守田美子(編)開拓社(251-263頁)

「ある幼児の動詞・形容詞否定形の獲得:標準語と京都弁の併用から」 
/ 2011年 6月

京都市近郊の方言を習得中の幼児による動詞・形容詞のナイと動詞ヘンの活用を用法基盤モデルを基に考察した。動詞の過剰一般化はナイ形がヘン形より多かった。英語の-ed誤用のような一般規則から例外への転移はみられない。ナイに過剰一般化「上一段・サ変→五段・カ変」が多い点から早期に特定の語の使用を基盤とした動詞否定形のカテゴリ発達がうかがえる。形容詞クナイ形は関西方言のクを省略した出現数が多く付加の随意性から高い生産性を導くスキーマを用いたとみられる。結果、意味・形態とも独立して存在する動詞ナイ/ヘン形のカテゴリ間で融合や転移や過剰一般化した誤りがないことから、2才初頭から別々のカテゴリに統語形態上区別して習得したとみえる。
【発行所/発表場所】
 日本認知言語学会(JCLA)第11回全国大会論文集(於 立教大学)CD-ROM版(512-518頁)

An English-Japanese comparative Study of Clarification Responses of Parent-Child Dyads 
/ 2010年 6月

2歳後半から4歳後半の子供と親の発話内容全体の聞き返しへの応答を英語と日本語とで比較した。英語獲得中の幼児は発話再生(繰り返し)により応答する傾向が高いが、日本語獲得中の幼児は繰り返しの他に文脈関連情報を加えて応答する傾向にあった。親は英語母語話者では繰り返し型と文脈的習性に分かれたが日本語母語話者の親は後者のみであった。両言語とも子供が聞き返しを文法的誤用訂正のサインとみなす率は非常に低く、親も文法より意味の確認のため聞き返す傾向が高かった。両言語の親とも文脈的習性は会話中断の原因を子供の視点から推測した問題解決方法を反映していた。
【発行所/発表場所】
 Studies in Language Sciences(言語科学研究会)論文集 9号 (77-92頁)

A Comparative Study of Parental and Child Contextual Self-Repairs upon Non-Specific Clarification Requests 
/ 2006年 4月

日本人父子2組のデータを比較し、親子の発話状況に基づいた自己発話修正の細分類を行い、大人と子供のメタ言語能力と他者意識の点での違いをみるため自己発話修正を再検証した。どちらの子供・親とも修正した発話で最も多いのは文法だけではなく発話状況に応じた意味の修正であったが、大人が相手の視点にたち自分の発話で相手が理解していないと思われる部分を類推し、それに沿った発話修正(意図説明・類推・例証・理由・情報追加)をしたのに対し、子供は明確化要求を自分の話を聞いているあいづちとしてとらえ、前発話を明確にせず新しい話題を追加して修正する事が多かった。
【発行所/発表場所】
 津田塾大学大学院論集 第27号(109-126頁)

Development of a Japanese Child’s response Patterns to Her other’s Clarification Requests: Clarification with Interpersonal Intensions 
/ 2003年 4月

子供の他者意識とメタ言語活動の関係をみるために自己修正発話を細分類した。子供の修正した発話のうち文法だけの訂正ではなく発話状況に応じた意味を大幅に修正した応答が最も多く、修正前発話より語数が増えとくに質問や命令など情報希求型の修正が3歳時で大幅に増加したが、子供は母親の明確化要求を、自分の話を聞いているあいづちとしてとらえ、前発話を明確にせず新しい話題を追加して修正する事があり、母親が子供の前発話の意味を依然理解できていない場合もあった。一方母親は自己発話修正において前発話の意図説明・類推・例証・理由・情報追加などをして子供の理解をうながした。
【発行所/発表場所】
 津田塾大学大学院論集 第24号(196-211頁)

A Study of the Acquisition of English Reflexives by Japanese Learners 
/ 1991年 3月

英語のself形再帰代名詞が示す名詞を、日本人英語学習者(大学生)が間違って選択する傾向を統語論を中心に日本語の「自分」と比較した結果、self形と「自分」に同一の統語・意味的特徴を想定するが、統語構造が複雑化すると英語での統語上の許容範囲が狭くなり、範囲外の名詞が再帰代名詞の指示対象として誤って選択されることを論じた。
【発行所/発表場所】
 津田塾大学大学院文学研究科博士前期課程 修士論文

The Acquisition of Relational Categories of English 
/ 1993年 8月

英語を母国語として獲得中の二才児が、動作主と動作が結びついた概念を理解し、主語と動詞の統語上の関係を理解するまでを考察した。先行研究の意味同化仮説では動作主と動作の関係を基盤とする動詞の意味カデコリ化を主張するが、幼児の発話資料から逆の過程を考察した。幼児は状態や経験等の動作以外の意味を持つ語を、動作を意味する語と区別して理解し、その後に人と動作・人と知覚・物と状態等の二者関係を理解して統語構造に転写する。この点から意味同化仮説の問題点を指摘し修正案を提示した。
【発行所/発表場所】
 テキサス工科大学大学院言語学科 修士論文

. A Comparative study of English and Japanese Negative Questions 
/ 1990年 3月

日本人が英語の否定疑問文に対して、yes・noを間違えて応答する傾向を、統語・意味・語用論の見地から分析した。英語と日本語の肯定・否定疑問文を比較した結果、日本語の分命題の正誤証明をする応答が、英語の文法適格性に従う命題証明と異なるために、英語の否定疑問文への応答に誤りが出ることを主張した。
【発行所/発表場所】
 津田塾大学大学院『論集』第11号(50-70頁)

普遍文法と第二言語獲得 
/ 1991年 7月

津田塾大学修士論文での実験結果を指示し、英語self形再帰代名詞の指示対象名詞決定において、日本語では統語的条件と同様に意味的・語用論的条件が影響力を持つのに対して、英語では統語的条件が優先される点を主張した。
【発行所/発表場所】
 津田塾大学言語文化研究所所報 第6号(24-36頁)

The Child’s Comprehension of How-questions 
/ 1993年 11月

英語を母国語として獲得中の三~四才児が、how疑問文をwhat・who疑問文と混同して応答を間違える傾向を分析した。誤りの原因として、求められる情報の具体性が、手段を問うhow疑問文では人や物を問うwhat・who疑問文より低く、前者で要求されるある行為を達成するまでの過程の記憶・理解・順序づけとその言語化が未発達なこと、howもwh語も文頭に置かれるために言語入力の際に混同されやすいことを指摘した。
【発行所/発表場所】
 市川三喜賞(津田塾大学内賞)第二席受賞論文

The Acquisition of Synthetic Compounds by -er Affixation 
/ 1994年 7月

英語複合語「名詞+動詞-er」を子供が正しく産出するまでの過程を考察した。初期では動作主-動作-対象物の意味概念を、主語-動詞-目的語の文構造に転用するため、文構造とは異なる語内部構造において誤った単語配列の複合語を形成する。接尾辞-erが動詞に付加されて動作主の意味をなすことが理解されるとともに、文構造の知識から語内部構造の知識が独立し、動詞から名詞への転換等派生変化に関する知識を獲得する。以上の順序で複合語形成の知識が発達すると論じた。
【発行所/発表場所】
 津田塾大学言語文化研究所所報 第9号(54-62頁)

The Japanese child’s early conceptualization and lexical development 
/ 1994年 11月

日本人幼児が日本語の擬声・擬態語の意味を獲得する過程を、語の意味は対象物の外観的特徴よりも状況や子供の対象物への接触に基づいて理解されるとする先行研究をもとに考察した。結果として、先行研究での仮説と異なり、擬声・擬態語は外観的・音声的特徴が語の意味決定に優先され、語の意味は語の使用状況の変化や対象物の多様化により変化しやすいことが判明した。
【発行所/発表場所】
 市河三喜賞(津田塾大学内賞)第二席入賞論文

A Note on the -er Affixation by Children 
/ 1994年 12月

英語複合語「名詞+動詞-er」を子供が正しく産出するまでの過程を考察した。初期では動作主-動作-対象物の意味概念を、主語-動詞-目的語の文構造に転用するため、文構造とは異なる語内部構造において誤った単語配列の複合語を形成する。接尾辞-erが動詞に付加されて動作主の意味をなすことが理解されるとともに、文構造の知識から語内部構造の知識が独立し、動詞から名詞への転換等派生変化に関する知識を獲得する。以上の順序で複合語形成の知識が発達すると論じた。口頭発表(於 明治学院大学)において学会が発行した発表論文集に収録。
【発行所/発表場所】
 TACL/TLF(東京言語学会)1994年度夏期会報 掲載論文(85-95頁)

The Development of Word Meaning in the Lexicon of Japanese-acquiring  Children 
/ 1995年 1月

語が意味する対象物の存在する状況を一つの場面構造の中で細分化し、子供が新しく擬声・擬態語を作り出す能力の点を強調した。論文7の結果に加え、子供が語に与える意味は具体的対象物のみとは限らず、対象物に接する場面と、関係ある他の場面や対象物を含むことがあり、外観的・音声的特徴を起点として状況や過去の経験等抽象的イメージも意味要素の中心になることを論証、語い増加により意味構成要素の取捨選択がなされていることを再考察した。
【発行所/発表場所】
 津田塾大学博士後期課程終了報告論文

The Competition Model and the Syntactic Development of Children 
/ 1995年 3月

言語理解と産出は、幾つかの候補が競争した結果、言語規則において最も多くの条件を満たす候補が選出されるとする「競争モデル」の特徴と問題点を、子どもの言語習得から孝察した。主な問題点は、モデルは単一経路の一括処理方式ゆえ名詞複数形作成等の語レベルに適するが、文構造レベルの複雑経路による出力を解明できない事。別の問題点として、モデルでは排除されるか入力されない例外的現象を子供が早期から頻繁に産出する事がある。以上の点を中心にモデルの改善を論考した。
【発行所/発表場所】
 津田塾大学大学院論集』第16号 掲載論文(121-130頁)

The Acquisition of Semantic Relational Categories of English 
/ 1996年 1月

子供の名詞と動詞に対する概念構造の発達と語の意味構築に関して再考察した。結果は論文4同様意味同化仮説を反証し、二才児は既に動作以外の意味を持つ動詞を正しい統語構造内で使用すること、名詞を具体的対象物の他に動作を表す意味で使用することを発話例から指摘した。本論文で、上記仮説が主張する動作主一動作関係が語意味のカテゴリ化の出発点ではなく、個々の語が独自の意味・統語情報を語りの中で発展させ、そこから言語の文法体系への一般化・統一がなされることを主張した。
【発行所/発表場所】
 東北福祉大学研究紀要 第20巻(129-141頁)

Young Children’s Use of Words in the Dual Category of English 
/ 1997年 2月

二~四才児のhelp・drink等の英語での名詞・動詞同形語の使用を分析した。統語情報と意味情報のどちらが先に獲得されるかを唱える幾つかの仮説をもとに考察した結果、どちらも同形語使用と理解において優先されると言えず、個々の語により使用状況が異なり個人差がみられた。こどもは誤りなく語を用い、動詞は動作的意味を、名詞は具体的対象物や人を表す、といった制限を設けておらず、同じ語を同じ意味で名詞あるいは動詞として用いる頻度は語によって異なった。ゆえに意味情報と統語情報が相互的役割を果たすと想定されるが、相互性の度合は個々の語により異なることを主張した。
【発行所/発表場所】
 東北福祉大学研究紀要 第21巻(185-200頁)

. Development of a Japanese Two-year-old’s Turntaking in Mother-child Conversations 
/ 2000年 4月

日本人二才児が母親との会話を進行させる能力の発達を、質問や命令等の発話行為・不明瞭発話への明確化要求・あいづち・新旧情報指示を中心に分析した。英語の先行研究同様、母親が会話の主導権を握り、子供の発話への応答と子供への問いかけを同時に行い、会話を維持して発話量の非対象性を避ける傾向がみられた。本研究では子供の言語反応を細分化し、母親はただ相手の話を聞いているサインとしてあいづちをうつ傾向にあるのと対照的に子供は質問に対する要求された応答としてあいづちをうつ傾向にあること、母親からの明確化要求に対し自己発話を訂正するための言語能力と話者の視点交替が二才では未発達なことを論じた。また、会話で言及された旧情報に比べ、新情報提示による子供から母親への問いかけが少しずつ頻度が増すことも指摘した。以上の点等から、幼児も徐々に能動的な情報交換を行って話題の拡張をめざすにつれ会話での二者間の非対象性が解消に向かうと論じた。
【発行所/発表場所】
 津田塾大学大学院論集 第21号(3-19頁)

The Development of a Japanese Two-year-old’s Turntaking in Mother- child Dialogues 
/ 2000年 8月

日本人二才児と母親の不明瞭発話への明確化要求・あいづち・新旧情報提示を中心に、母と子の発話全体の意味や言語能力と話者の視点交替など心理的側面での定義・分析を重点的に考察した。
【発行所/発表場所】
 Japanese Society for Language Sciences(言語科学研究会)論文集1号(135-143頁)

Development of a Japanese Child’s Responses to Her Mother’s Clarification Requests 
/ 2001年 7月

母子の互いの明確化要求への応答を反復・特定・(自己)修正・不明瞭・その他の五つに分類した。子供の最も多い応答は、2歳時で反復と不明瞭発話だったが3歳時では修正になり、母親はとくに質問や命令など情報を求めるため修正した応答が最も多かった。年齢とともに子供も情報を求めるため前発話を修正する傾向が出てきた点から、相手に自分の発話のどの部分が理解されなかったかを分析する他者の視点をとるメタ言語能力が発達してきた点を主張した。
【発行所/発表場所】
 津田塾大学言語文化研究所所報16号(98-109頁)

若年成人の対乳児発話表出時における脳反応:近赤外線分光法による検討 
/ 2014年 3月

(庭野賀津子(主著者)、田邊素子、窪田美穂子、佐藤洋介、坪川宏)育児経験のない成人(大学生)がビデオ内の乳児に話しかけるときに乳児の啼泣・非啼泣に応じてどう脳の血流と発話の特徴が変化するか、男女差があるかを、大脳皮質の活動をみる近赤外線分光法(NIRS)を用いて調べた。結果、啼泣時には脳血流にストレスかがかり発話数が増加する傾向があり、通常時よりも乳児には高いピッチで発話するものの、顕著な男女差は認められなかった。結果、育児経験のない若年成人は乳児の機嫌により脳血流反応や対乳児発話の表出どちらにも影響をうけやすいことが示唆された。
【発行所/発表場所】
 東北福祉大学感性研究所年報 vol. 15

2〜4歳児による理由を表す接続助詞「から」の習得 
/ 2015年 3月

2〜4歳児が接続助詞「から」を習得する過程をコーパスを用いて検証し、従属節+主節・主節+従属節・従属節のみの構造ごとに分析し、主節+従属節が最初に発達するという英語のケースや同じ日本語の先行研究とは異なり、本研究では従属節+主節構造が最初に発生しもっとも使用頻度が高いことを文意味・発話行動・発話処理などの観点から検証した。
【発行所/発表場所】
 東京造形大学研究報 16号

理由を表す接続助詞「から」の親の使用と2〜4歳児との比較 
/ 2016年 3月

2015年の自己の先行研究をもとに、子どもと親との「から」使用を比較し、節構造の発達と意味の発達において、共通点と相違点を検証した。
【発行所/発表場所】
 東京造形大学研究報17号

ある幼児の禁止・義務表現の習得:標準語と方言での異なる習得経路から 
/ 2018年 3月

2017年8月9日開催された国際方言学方法論学会にて(於 国立国語研究所)英語で行ったポスター発表を、日本語でさらに詳しく説明を加えて表や統計を追加・修正して論じた。ある幼児が禁止(例:〜したらだめ・あかん)と義務を意味する(例:〜しないとだめ・あかん)の2歳から3歳8ヶ月までの使用と父親のそれとを比較した。父親は「だめ」「あかん」の使用には構造と意味で顕著な違いがなかったのに対し、幼児は「だめ」は対象物がよくないという叙述的な意味が大半であり動詞を伴う禁止や義務の用法がなかった一方で「あかん」は叙述的な意味に始まりのちに動詞を伴う禁止や義務の意味が増加した。これは方言「あかん」は標準語「だめ」よりも感情を強く押し出す心理的効果が構造と意味ともに「だめ」よりも早く発達した要因だと見なされる。
【発行所/発表場所】
 東京造形大学研究報 第19号

3歳から4歳までの子どもの理由を表す接続助詞「から」の習得 
/ 2017年 3月

2016年の著者の先行研究では4歳代のデータがなかったため、別の子ども3名のデータから、接続助詞「から」の主節+従属節、従属節+主節、単独節での使用を分析した。主な結果として、著者の先行研究と同じく、複節構造では「から」は理由を表す方が表さない使用より多かったが、単独節では理由よりもこれからする行為の宣言や相手の注意を引くために使用されていた。先行研究と異なり、節間のポーズがどちらの複節構造にも見られ、主節で言わなかったことを追加する際に従属節の前でポーズをとるだけでなく、従属節+主節でも多く見られたため、節順と情報の新旧とポーズとの関連性は見られなかった。また、「けど」の意味で「から」を誤用することがあり節順と因果関係の結びつきができない場合もあることがうかがえた。
【発行所/発表場所】
 東京造形大学研究報 第18号

Roles and Effects of Parent-Initiated Repair in Language Development: A Case Study of Four Japanese Children 
/ 2020年 3月

4名の日本語を母語として習得中の子どもの母親との会話において、子どもの間違いを親が修正したか否か、どのように修正したか、修正に対して子どもはどう反応したかを分析した。英語やフランス語やヘブライ語の先行研究では、親が子どもの特に動詞派生の誤用を訂正する傾向があるが、日本語では親は子どもの誤用を訂正や指摘することは非常に少なかった。子どもは自分の発話を自分の観点で適切なまたは好んで用いて訂正されても誤用を再度使用する傾向がみられた。会話では親は子どもと共有するトピ ックや発話意味を重視し、親は子どもの発話意味が理解できれば間違いを看過して会話 を続行する傾向が強くみられた。子どもは誤用を大人から指摘されて修正することよりもむしろ自ら誤用を見出し母語の文法習得へ軌道修正をすることがこの研究から想起される。
【発行所/発表場所】
 東京造形大学研究報 21, pp. 17-32

Different paths in the acquisition of Japanese negative words meaning prohibition: Dame in the standard form and akan in the western dialect  
/ 2017年 6月

2017年8月9日開催された国際方言学方法論学会にて(於 国立国語研究所)英語で行ったポスター発表(ある幼児が禁止と義務を意味する「だめ」「あかん」の2歳から3歳8ヶ月までの使用と父親のそれとを比較)にさらに詳しく説明を加えて表や統計を追加・修正して論じた。
【発行所/発表場所】
 Proceedings of Methods XVI Papers from the sixteenth international conference on Methods in Dialectology, 59, pp. 141-152



◆その他

【学会・研究等発表】

A Comparative study of English and Japanese Negative Questions 
/ 単独 / 1989年 7月

日本人が英語の否定疑問文に対してyes・noを混同して答える傾向を、日本語と英語の肯定・否定疑問文の統語・意味・語用論的な分析から論じた。日本語の文命題の証明となる応答が、英語の統語的特長に依存する命題証明とは異なるために、後者では応答に誤りが出やすいと結論づけた。
【発行所,発表雑誌/学会等の名称】
 津田塾大学大学院英文学会

英語再帰代名詞の第二言語獲得について 
/ 単独 / 1990年 11月

英語のself形再帰代名詞と日本語「自分」が意味する対象名詞の特定までの課程を、統語論上での説明にしぼり、日本語では英語よりも指示対象名詞を含む統率領域が広いことにより、日本人のself形の先行名詞選択に誤りが生じると論じた。
【発行所,発表雑誌/学会等の名称】
 大学院英文学専攻課程協議会(英専協)(於 津田塾大学)

The Acquisition of Relational Categories of English 
/ 単独 / 1993年 12月

動作主-動作-対象物の概念と関係から主語-動詞-目的語の文構造が獲得されるとする意味同化仮説を子供の発話資料から検証した。結果、説とは異なり、動作を始まりとする意味構築よりも、意味・統語情報は個々の語で異なった形で収録され、主語や目的語・動詞はその情報を基に意味役割が付与されて互いに関係づけられることが判明した。
【発行所,発表雑誌/学会等の名称】
 津田塾大学言語文化研究所

A Note on the -er Affixation by Children 
/ 単独 / 1994年 9月

子供が英語複合語「名詞+動詞 ‐er」を正しく算出するまでの過程を、動作主-動作-対象物の三者関係の概念上の理解から、主語-動詞-目的語の文構造の理解、最後に語の内部構造の理解と動作主を意味する接尾辞‐er の理解、と段階に分けて説明をし、例として子供が発明した複合語を紹介した。
【発行所,発表雑誌/学会等の名称】
 TACL/TLF(東京言語学会)夏期言語学会(於 明治学院大学)

The Acquisition of Semantic Relations of English 
/ 単独 / 1995年 10月

先行研究の意味同化仮説が統語知識の獲得において基本的な意味カテゴリとみなす「物体移動と状態変化」「恒久的特性」「知覚と感情」に焦点をあて、子供の発話例から以上の意味を持つ動詞の他に名詞も早期に獲得され、以上の意味カテゴリに属さない動詞の使用頻度が高い点に着目し、カテゴリ化の問題点と意味的制約に依存しない統語上の発達を主張した。
【発行所,発表雑誌/学会等の名称】
 日本言語学会第111回(秋期)大会(於 東北大学)

子供の英語における意味関係の獲得 
/ 単独 / 1995年 11月

先行研究の意味同化仮説が統語知識の獲得において基本的な意味カテゴリとみなす「物体移動と状態変化」「恒久的特性」「知覚と感情」に焦点をあて、子供の発話例から以上の意味を持つ動詞の他に名詞も早期に獲得され、以上の意味カテゴリに属さない動詞の使用頻度が高い点に着目し、カテゴリ化の問題点と意味的制約に依存しない統語上の発達を主張した。
【発行所,発表雑誌/学会等の名称】
 東北福祉大学心理学コロキアム研究発表(福祉心理学科)

The Development of a Japanese Two-year-old’s Turntaking in Mother-child Dialogu 
/ 単独 / 1999年 8月

日本人二才児の母親との会話の進め方を、質問・命令・不明瞭な発話への明確化要求・あいづちとその誘発形態・新旧情報提示・話題拡張などの視点から分析した。結果としては、会話継続の主導権は常に母親が握り、子供はそれに依存し応答するが母親に質問などを通して反応を求める頻度が低いことが先行研究(英語)と同様に判明した。本研究では、子供の話し手と聞き手の視点変換が必要な言語行為があまり見られず、母親からの会話の明確化要求に対する繰返しや訂正が少ないこと、会話で既に話題に出た旧情報に比べ、子供は新情報を発信して質問や命令など相手の反応を要求する発話行為が少ないが、年令と共に徐々に増加する、などが判明した。
【発行所,発表雑誌/学会等の名称】
 Japanese Society for Language Sciences(言語科学研究会)第一回大会(於 上智大学)

A Comparative Study of Parental and Child Self-repair Patterns upon Non-specific Clarification Requests 
/ 単独 / 2005年 6月

2組の日本人親子の聞き返しに対する自己発話修正の細分類を行い、具体的な発話修正の傾向と発達を分析した。大人と子供のメタ言語能力と他者意識の点での違いをみるため自己発話修正を再検証した。どちらの子供・親とも修正した発話で最も多いのは文法だけではなく発話状況に応じた意味の修正であったが、大人が相手の視点にたち自分の発話で相手が理解していないと思われる部分を類推し、それに沿った発話修正(意図説明・類推・例証・理由・情報追加)をしたのに対し、子供は明確化要求を自分の話を聞いているあいづちとしてとらえ、前発話を明確にせず新しい話題を追加して修正する事が多かった。以上の点を統計結果から確証した。
【発行所,発表雑誌/学会等の名称】
 Japanese Society for Language Sciences 言語科学研究会第七回大会(於 上智大学)ポスター発表)

An English-Japanese comparative Study of Clarification Responses of Parent-Child Dyads 
/ 単独 / 2007年 7月

日本語を母語とする親子の明確化要求とその応答を、英語を母語とする親子のケースと比較した。結果としては、親から聞き返された場合、英語児は日本語児ほど前発話と関連する新情報を加えて文脈説明をする傾向は弱くむしろ同じ発話を繰り返す傾向があった。逆に子供から聞き返された場合、日本語の親は文脈説明をする傾向があったが、英語の親は繰り返し型と文脈説明型に分かれた。また従来の研究結果とは異なり、子供は親に聞き返されても文法的な訂正はほとんどせず誤形を繰り返しており、親からの明確化要求が子供に文法自己訂正を促すシグナルには殆どなっていない事が判明した。
【発行所,発表雑誌/学会等の名称】
 Japanese Society for Language Sciences言語科学研究会第九回大会(於 宮城学院大学)

ある幼児の動詞・形容詞否定形の獲得:標準語と京都弁の併用から 
/ 単独 / 2010年 9月

京都市近郊の方言を習得中の幼児による動詞・形容詞+ナイ/ヘンの語尾活用を、用法基盤モデルを基に考察した。動詞の過剰一般化はナイ形がヘン形より多かった。英語の-ed誤用のような一般規則から例外への転移はみられない。ナイに過剰一般化「上一段・サ変→五段・カ変」が多い点から早期に特定の語の使用を基盤とした動詞否定形のカテゴリ発達がうかがえる。形容詞クナイ形は関西方言のクを省略した出現数が多く付加の随意性から高い生産性を導くスキーマを用いたとみられる。結果、意味・形態とも独立して存在する動詞ナイ/ヘン形のカテゴリ間で融合や転移や過剰一般化した誤りがないことから、2才初頭から別々のカテゴリに統語形態上区別して習得したとみえる。
【発行所,発表雑誌/学会等の名称】
 日本認知言語学会第11回全国大会(於 立教大学)ポスター発表

Hemodynamic responses during the production of infant-directed speech: A NIRS study of young adults Katsuko Niwano (Tohoku Fukushi University), Motoko Tanabe (Tohoku Fukushi University), & Mihoko Kubo 
/ 共同 / 2014年 6月

ビデオ映像の乳児の泣いたまたは笑った顔を見て大学生が話しかけた時の言語使用(単語数など)と脳波に及ぼすストレスなどの影響との関連性を見た実験。
【発行所,発表雑誌/学会等の名称】
 JSLS言語科学会年次国際大会(於 文教大学)

Different Paths in the Acquisition of Japanese Negative Words Meaning Prohibition: Dame in the Standard Form and Akan in the Western Dialect 
/ 単独 / 2017年 8月9日

2017年8月9日開催された国際方言学方法論学会にて(於 国立国語研究所)ポスター発表。ある幼児が禁止(例:〜したらだめ・あかん)と義務を意味する(例:〜しないとだめ・あかん)の2歳から3歳8ヶ月までの使用と父親のそれとを比較した。父親は「だめ」「あかん」の使用には構造と意味で顕著な違いがなかったのに対し、幼児は「だめ」は対象物がよくないという叙述的な意味が大半であり動詞を伴う禁止や義務の用法がなかった一方で「あかん」は叙述的な意味に始まりのちに動詞を伴う禁止や義務の意味が増加した。これは方言「あかん」は標準語「だめ」よりも感情を強く押し出す心理的効果が構造と意味ともに「だめ」よりも早く発達した要因だと見なされる。
【発行所,発表雑誌/学会等の名称】
 the Sixteenth International Conference on Methods in Dialectology (METHODS XVI)

【研究発表論文】

2〜4歳児による理由を表す接続助詞「から」の習得 
/ 単独 / 2015年 3月31日

理由を表す接続詞「から」の習得を幼児2名の2歳から4歳までの親との会話データを元に分析し、「から」単独節と「から従属節+主節」と「主節+から従属節」の習得順序を検証し、英語のbecauseのような節の初めに来る接続詞とは異なり、節の終わりにくる「から」は考えながら発話を組み立てる発話計画の容易さと深く関係することを主張した。

【発行所,発表雑誌/学会等の名称】
 東京造形大学研究報 16号

理由を表す接続助詞「から」の親の使用と 2~4歳児との比較 
/ 単独 / 2016年 3月31日

前年度2016年度の論文の子どものデータと、親の「から」の使用の共 通点と相違点を比較検討し、親の発話が言語習得 に必要な情報としてどの程度子どもの言語使用に 影響しているか、また、相違点があれば子どもが まだ習得できていないとみられる点は何か、を考察した。
【発行所,発表雑誌/学会等の名称】
 東京造形大学研究報 17号

Different Paths in the Acquisition of Japanese Negative Words Meaning Prohibition: Dame in the Standard Form and Akan in the Western Dialect 
/ 単独 / 2020年

2017年8月9日開催された国際方言学方法論学会にて(於 国立国語研究所)ポスター発表をさらに分析を発展させた論文。ある幼児が禁止(例:〜したらだめ・あかん)と義務を意味する(例:〜しないとだめ・あかん)の2歳から3歳8ヶ月までの使用と父親のそれとを比較した。父親は「だめ」「あかん」の使用には構造と意味で顕著な違いがなかったのに対し、幼児は「だめ」は対象物がよくないという叙述的な意味が大半であり動詞を伴う禁止や義務の用法がなかった一方で「あかん」は叙述的な意味に始まりのちに動詞を伴う禁止や義務の意味が増加した。これは方言「あかん」は標準語「だめ」よりも感情を強く押し出す心理的効果が構造と意味ともに「だめ」よりも早く発達した要因だと見なされる。
【発行所,発表雑誌/学会等の名称】
 Yoshiaki Asahi (ed.), Proceedings of Methods XVI: Papers from the Sixteenth International Conference on Methods in Dialectology, 2017, Peter Lang: Berlin, pp. 141-151.

Roles and Effects of Parent-Initiated Repair in Language Development―A Case Study of Four Japanese Children 
/ 単独 / 2020年 3月

親による子どもの発話訂正とそれに対する子どもの反応を音声データをもとに検証した。
【発行所,発表雑誌/学会等の名称】
 東京造形大学研究報

Japanese-Acquiring Children’s Self-Initiated Self-Repair of Speech in Conversation with their Parents 
/ 単独 / 2022年 3月

子どもの親との会話において子ども自身が自分の発話を訂正する方法を検証した。
【発行所,発表雑誌/学会等の名称】
 東京造形大学研究報23号

Development of the use of fillers by Japanese-acquiring children 
/ 単独 / 2023年 3月

2歳から4歳までの子どもが親との会話の中で自分の発話権利(ターン)の維持と情報提供や共有のためにフィラー(「あの」「ええと」「うーん」など)をどう用いているかを検証した。
【発行所,発表雑誌/学会等の名称】
 東京造形大学研究報 24号 pp. 153-171.

Japanese-Acquiring Children’s Use of Adversative Conjunctives Kedo,Demo and Dakedo in Conversation with Adults 
/ 単独 / 2024年 3月31日

子どもが2歳から4歳までの間に逆接の接続詞「でも」「けど」「だけど」を日常会話でどのように使用しているかを分析した。子どもたちは「けど」は発話(文)をつなぐ接続詞としての使用よりも終助詞として発話(文)の最後におく提案など含意を残す言い方が多くされた。「でも」は相手の発話から発話権利(ターン)をとるために冒頭で用いたり自己発話をつなげながら用いることが多かった。「だけど」の使用頻度は極少であった。これらの語は逆接としてだけでなく情報付け足しや話題転換にもよく用いられていた。また逆接による反予想の命題ではなく、より認知的に理解しやすい理由を示す「から」との誤用も見られた。主にこうした点から、子どもは辞書的定義による逆接の意味のほかにも会話による相互行為の中で相手の反応を意識した話題構築や行為の実践を促すため「でも」「けど」「だけど」を理解していると見られる。
【発行所,発表雑誌/学会等の名称】
 東京造形大学研究報25号

【講演会・シンポジウム・セミナー等】

テーマ「子どもの会話構造の発達における相互性と意味性」 
/ 共同 / 2003年 9月

(企画者 秦野悦子:話題提供者4 名 関根和生、窪田美穂子、礪波朋子、秦野悦子: 指定討論者 小山正)個人データを元に、子どもと母親の対話において互いの聞き返しと応答との量・質的比較を示し、子どもが相手に理解されることをどう意識して自己発話訂正するようになるかを発表した。
【発行所,発表雑誌/学会等の名称】
 日本心理学会第67回大会 (於 東京大学本郷校舎)

【解説論文・評論・書評・批評等】

A Short Review of ‘Cognitive Space and Linguistic Case’ by Izchak M. Schlesinger 
/ 単独 / 1997年 1月

個々の動詞が主語や目的語に意味役割を与える格(case)の特性は、認知世界を反映して文法構造へと具現化されるとする本書の主題から、特に主題に付与される動詞主・経験主・道具的役割などの格概念とその多様性・多重性・曖昧性を紹介し論評した。本書の著者が主張する言語獲得における意味同化仮説に関しても格概念の形成という点から紹介・論評した。
【発行所,発表雑誌/学会等の名称】
 Linguistics Vol. 35, No. 1 (1997)(189-193頁)

Book Review of ‘Beyond Names for Things: Young Children’s Acquisition of Verbs’ Edited by Michael Tomasello and William E. Merriman 
/ 単独 / 1999年 2月

名詞と比べて指示物の概念の対象境界が曖昧な動詞の獲得に関する論文集の紹介と論評。英語とそれ以外の言語を含む三才前後の幼児を対象とする実験から、認知発達が語の意味理解や統語構造理解に影響を与えると主張する論文がほとんどであるが、各論文の問題点とともに動詞の意味理解を理論上解明することの難しさを論評の中で指摘した。
【発行所,発表雑誌/学会等の名称】
 American Journal of Psychology Vol. 112, No.1 (1999) (154-158頁)

Book Review of ‘Other Children, Other Languages: Issues in the Theory of Language Acquisition’ Edited by Yonata Levy 
/ 単独 / 2000年 4月

言語間で共通の普遍的文法概念と認知能力との関連性や個別言語特有の文法体系の獲得に関する論文集の紹介と論評。各論文が、文法体系の内部構成要素の相互依存性や独自性を考察している点と、それらの要素が認知体系の内部構成要素とも密接に関係していると論じている点に論評を加え、各論文の問題点も指摘した。
【発行所,発表雑誌/学会等の名称】
 言語研究(日本言語学会)第115号(141-158頁)

A Short Review of ‘Ecology of Language Acquisition’ Edited by Jonathan Leather and Jet van Dam 
/ 単独 / 2004年 4月

第一・第二言語獲得を言語構造と個人の その認知との関係からみる従来の理論に対し、個人が環境や社会にダイナミックに働きかけることで経験と認知が言語構造の習得につながるとするエコロジカルな言語獲得を例証した論文集の紹介。社会的・文化的要素が個別言語や特定の構造の獲得に影響する点のほか、エコロジーつまり社会環境や人間関係に言語発達の重きを置く理論の問題点を論評した。
【発行所,発表雑誌/学会等の名称】
 Linguistics Vol. 42, No. 2 (2004) (509-520頁)

A review of Pragmatic Development in First Language Acquisition Edited by D. Matthiews 
/ 単独 / 2016年 3月

子どもが言語の構造や意味だけでなくどのような状況で相手に何を伝えるために言語を使用するかといった語用論的情報の習得に関する21本の論文集の書評紹介。
【発行所,発表雑誌/学会等の名称】
 日本言語学会

【出版企画・編集】

高等学校英語教科書Magic Hat: English Course I  
/ 共同 / 2007年 4月

編集協力者として(執筆はないが)資料収集や月数回の編集会議(平成16年)に出席し題材や設問や資料などに関する意見を述べた。訳読に頼らず英語で考え発信するオーラルコミュニケーション活動重視の教科書。(著作者代表:国枝マリ津田塾大学教授、高橋正夫新潟医療福祉大学教授)
【発行所,発表雑誌/学会等の名称】
 教育出版(17教出 英語I 044)




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